2018年6月13日更新(※レバレッジ10倍引き下げは見送り、25倍のまま)
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目 次
国内FXレバレッジ10倍引き下げの規制強化は見送り
2018年5月29日、ロイターによると、金融庁の関係筋がレバレッジ10倍への引き下げを断念したと明らかにしたようです。
記事は以下のとおりです。
[東京 29日 ロイター] – 店頭FX(外国為替証拠金取引)の証拠金倍率について、金融庁が現行の最大25倍から10倍への引き下げを見送ることがわかった。関係筋が明らかにした。金融庁は当初、引き下げを通じ、取引で生じる不測の事態などのリスク圧縮を目指したが、市場関係者の反対が多く断念に至ったもようだ。
その代替として、店頭FX業者に対するストレステストの強化などで決済リスクを管理する方針。
金融庁は、この問題を議論してきた「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」を30日に開き、証拠金倍率引き下げの見送りや利用者へのアンケート結果を提示する。
店頭FXの年間取引は5000兆円程度に上る。金融庁は、市場が急変した際に個人投資家のポジションの手じまいなどが集中すれば、店頭FX業者では対応しきれず、金融システム不安に発展しかねないと懸念。証拠金倍率の引き下げを検討してきた。
だが、店頭FX業者や個人投資家の間で反対論が根強かった。 店頭FXの証拠金倍率引き下げ見送り方針について、店頭FX業者が加入する金融先物取引業協会は「コメントを差し控える」とした。金融庁の広報担当者のコメントは今のところ得られていない。
2017年9月以降から注目を集めていた国内FXのレバレッジ規制強化は2018年5月30日の有識者検討会で結論が出る見込みです。
見送りでまた討論会を続けていくのか、完全にレバレッジ規制強化は断念するのか、結果が待たれるところでしょう。
しかし報道が出た以上、ほぼ規制強化の見送りは決定的と言えますね。(※追記 下記で内容を更新しております。結論は、2018年6月13日の有識者検討会で、レバレッジ規制強化の見送りが決まりました。)
海外FXや仮想通貨への顧客流出に歯止めをかけるためか
ブルームバーグが報じたニュースは以下のようになっています。
証拠金倍率の引き下げについては、有識者会議の中でより高い倍率で取引できる海外業者に顧客が流れるという問題提起がされたほか、証拠金倍率20-25倍が主流の仮想通貨取引に顧客を奪われる可能性もあり、GMOクリック証券、SBI証券ら大手FX業者から「他の金融商品に対する規制とのバランスも踏まえた議論を」との要望が出ていた。現行倍率の取引で含み損を抱えている顧客などへの対応も課題だった。
金融庁の資料によると、各国のレバレッジ規制は米国が日本円やユーロなどの主要通貨で50倍、その他が20倍。また、規制変更を議論している欧州では主要通貨で30倍、その他は20倍という案が出ている。一方、規制の緩い国では4000倍という例もあるという。
もともとは取引において「急激な相場変動で投資家と金融機関が多大な損失を被らないようにするため」にレバレッジ規制の検討が行われてきました。
しかしそのリスク回避以上に、海外FX業者や仮想通貨取引に顧客の流出が懸念され、それに歯止めをかけるためにレバレッジ規制を見送りたいようです。
現行レバレッジ25倍でも顧客の流出は抑えられない可能性が
国内FXは現行レバレッジ25倍まで規制しています。
10倍にまで規制してしまうと、単純計算で今までより2.5倍もの資金を用意しなければなりません。
2.5倍もの大金を用意しなければならないリスクは、今回の報道で回避できる可能性が非常に高くなりました。
しかしそれでも海外FXへの流出は抑えられないのではないでしょうか。
海外FXではレバレッジが400倍や500倍が標準なため、国内FXよりも投資効率はすでに20倍ほども高いのです。
その結果、海外FXのXMでは2016年には口座数50万件ほどだったのが、2018年には150万件を突破しています。
やはりその理由として上げられるのが国内FX利用トレーダーが海外FXへ流入してきていることと、初心者が低いレバレッジである国内FXを最初から避けて海外FXを利用するようになってきたからだと言われています。
特に相場状況に応じて自分の資金やポジションを操れるトレーダーにとっては最大レバレッジが高いほうが有利に働くため、海外FXへ口座を作ろうというのは自然な流れとなっています。
海外FXではレバレッジを国内FXと同じように25倍以下にも設定でき、取引形態もNDD方式を採用しているため信頼性があります。
このままでは国内FXは衰退していってしまう可能性もあり、海外FXへの流出は抑えられない可能性が高いでしょう。
※追記:2018年6月13日、レバレッジ規制強化見送り決定
追記です。
レバレッジ規制強化見送り決定、しかしストレステストの厳格化等決められ、その結果でこれからの証拠金引き上げ、つまりレバレッジ規制強化をするか、それともしないのかを再度検討していくことになりました。以下で、「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」報告書の概要を紹介しています。
この報告書の概要は、2018年6月13日に金融庁が発表したものです。