海外FXを始める前に知っておいて欲しい税金の知識をまとめてあります。
海外FXで稼いだ場合『税金はいつまでに、どうやって納めるのか?』『確定申告のやり方は?』など、全部まとめて解説中...!
読んで欲しい人
- FX初心者の方
- FXの税金の仕組みを知りたい方
- これから海外FXをやってみる人
目 次
海外FXの税金・確定申告、早わかりリスト
- 給与所得者は、年間20万円以上の利益がある場合、確定申告が必要。
- 給与所得者以外(個人事業主、主婦、学生など)は、年間38万円以上の利益がある場合、確定申告が必要。
- 損失が出たとしても、上記の年間利益ラインを満たしている場合は、課税対象。
- 課税対象となるは出金した時ではなく、利益が出た(利確した)時点。
- 海外FXでの利益は、雑所得・総合課税の対象になるため、利益の分だけ課税される。(累進課税)
- 確定申告書の記入欄にて「普通徴収」を選択すれば、勤め先にバレることはない。
- FX関連の書籍購入、セミナー参加代などは必要経費として認められる。
- 脱税はバレるので絶対にやめよう。
※サラリーマンの場合、年間利益が20万円以下であれば課税対象に引っかからず確定申告の必要がないので、「税金を払いたくない」という方は利益20万円以下におさえましょう!!
また、「国内FX会社から乗り換えた」という方も多いと思います。
海外FXと国内FXでは課税の仕組みが異なるので、注意しましょう。
海外FXと国内FXでは税金の仕組みが違う
- 海外FXで上げた利益は雑所得、総合課税の対象
- 国内FXで上げた利益は申告分離課税の対象
海外FXは総合課税(所得税+住民税)で、累進課税
海外FXの総合課税は、以下の累進課税により税額が決まるので、利益が大きくなるほど税金が高くなります。(国内FXの税率は一律20.315%です。)
課税所得額 | 税率(内訳) | 所得控除額 |
---|---|---|
20万円以上~195万円以下 | 15%(所得税5%+住民税10%) | なし |
195万円超~330万円以下 | 20%(所得税10%+住民税10%) | 97,500円 |
330万円超~695万円以下 | 30%( 所得税20%+住民税10%) | 427,500円 |
695万円超~900万円以下 | 33%( 所得税23%+住民税10%) | 636,000円 |
900万円超~1,800万円以下 | 43%( 所得税33%+住民税10%) | 1,536,000円 |
1,800万円超~ | 50%(所得税40%+住民税10%) | 4,796,000円 |
つまり簡単に言うと、海外FXは儲ければ儲けるほど納める税金額が大きくなるということ。
ですがもちろんその対策もあります!
ココがポイント
- 累進課税とは......利益が大きくなればなるほど税金が高くなる仕組み
- 一方、国内FXは一律20.315%
- 下記で詳しく説明するが、計算すると420万円以下なら累進課税(海外FX)のほうがお得になる(※)
(※)必要経費などを考慮しない場合
【海外FXとの違い】国内FXの申告分離課税とは?
国内FXは申告分離課税という課税方法。
申告分離課税とは?
- 簡単に言うと、他の所得金額とは別に税金を納める方法。
- 例えば、FXの他、株や不動産などで利益を上げていた場合でも、それぞれ別々に税金がかかる。
一方、海外FXの総合課税は、すべて合算した所得(利益)に対して税金がかかります。
総合課税とは?
- その年のすべての所得を合計して、税金がかかる。
- 例えば、FX、株、不動産で利益を上げた場合、全部の利益の合計金額に対して税金がかかる。
どちらが有利、不利、というのは状況によっても変わります。
ここでは簡単に説明していますが、税金の仕組みはもっと複雑ですので、そういう仕組みがあるんだな。くらいでここはOKです。
海外FXは損益通算ができない!国内FXは3年間できる
国内FXは損益通算(前の年の損失を申告していると、次の年に利益が出ても課税されない仕組み)ができるのも強み。
海外FXは損益通算ができないので、その年その年で税金を納めなければなりません。
例えば、国内FXなら前の年に100万円損失額が出て、次の年に50万円の利益が出た場合、合計してマイナス50万円損失なので課税されません。3年間通してこの繰越控除が受けられるのです。
※一方、海外FXは損益通算(繰越控除)はないので、前の年に100万円損失があったとしても、次の年に50万円利益が出たら課税(確定申告)しなければなりません。
この損益通算(繰越控除)できないという点で、海外FXは不利です。
その分、損益通算(繰越控除)を受けるためには毎年損失がでても確定申告しなければいけないので、国内FXの人は毎回どんな利益、損益でも確定申告しましょう。
税金の計算方法(※覚えなくてOK)
計算については覚える必要はありません。自動で算出してくれるツールを国税庁が出しているので、確定申告するときはそれで納めます。
具体的に「自分がこれくらい稼いだら、税金はどんなもんなんだ?」という人は計算してみてください。
具体的に国税庁のツール(e-Tax)で確定申告する方法は、以下の記事で解説しています。
-
【XM】e-Taxで確定申告したから方法をまとめた【毎年同じやり方】
確定申告は、毎年2月16日近辺 ~ 3月15日近辺までの間に行う必要があります。 海外FXで利益が出た人は確定申告を上記の期間までに行いましょう! 確定申告しなければならない人 サラリーマンなど給与所 ...
続きを見る
海外FXの方が「年間利益420万円以下」なら、税金は安い
ざっと計算すると、420万円以下の利益なら海外FXの方が納める税金を安くできます。
420万円以上稼ぐなら国内FXのほうが安くなります。
しかしこれはあくまで「必要経費」を無視している利益です。
ですので例えば、500万円の利益があっても、80万円以上の必要経費があれば、海外FXの方が税金は安くなります。
白色申告と青色申告について
確定申告には白色と青色の2種類がありますが、青色はフリーで活動している人や法人化させている人などが行えます。
青色申告のメリットは65万円控除が受けられるなど、税制上に優遇があること。
白色申告は簡単に確定申告できるのが良い所です。
青色申告はやや難しく、白色より詳細な帳簿付けが必要です。
また事前に青色申告したい旨を申請すること、税の控除を受けるにも事前に申請が必要ですので、FXで青色申告を行うとなると現実的ではないと思います。
そこまで稼いで法人化したいとなったら、同時に税理士さんと相談しましょう。
白色申告の場合は下のような書類(e-Tax)に記載して確定申告します。
基本は白色申告で◎
海外FXで利益を上げて、税金を納めていく人は基本的に白色申告でOK!
海外FXの税金・確定申告の概要・注意点
では海外FXの税金、確定申告について詳しく見ていきましょう。以下の疑問からもジャンプできます。
なお、節税(必要経費)についてはさらに下で解説してます。
1年間の利益は、翌年に確定申告しよう
海外FXの課税対象になる期間は、毎年1月1日~12月31日で、その1年分の利益を翌年の2月16日~3月15日(※)までに確定申告し、所得税を収めることが義務付けられています。
3月15日(※)までに確定申告をしないと追徴課税が課せられるので注意してください。
(※)その年の曜日の関係で前後する場合があります。税務署に要確認。
今年「2019年(平成31年/令和元年)」の1年間の所得は、「2020年(令和2年)2月17日~3月16日」までに確定申告して税金を納めなくてはいけません。
海外FXで「確定申告する必要のある人」は?
以下の方は確定申告する義務(税金を納める義務)があります。
- 給与所得者は、年間20万円以上の利益があった方
- 給与所得者以外は、年間38万円以上の利益があった方
一般のサラリーマンの方は給与所得者に該当しますので、年間20万円の利益があると確定申告をする(税金を納める)必要があります。
ただし、給与所得者の人は20万円未満の利益なら確定申告の必要も、税金を納める必要もありません!
給与所得者以外の人は、専業主婦の方、学生の方、個人事業主の方などが当てはまります。
-
海外FXで損失が出た場合、確定申告はするべき?【税金】
海外FXで利益が生じた場合、確定申告をして税金を納めなければなりません。 給与所得者は年間20万円以上利益がある 給与所得者以外の人は年間38万円以上利益がある 上記の条件で利益を上げた場合、確定申告 ...
続きを見る
タイミングは利益が出た時点!※出金のタイミングではない
海外FXで課税されるタイミングは、ポジションを決済し、利益が出た時点です。
出金のタイミングとよく間違って覚えている人もいるので、ここは要注意です!
ポジション決済が課税のタイミング!です。
スワップポイントはどうなる?
スワップポイントは業者によって違います。
ですが、海外FX業者の多くがポジションを決済したタイミングで利益という判断です。(XMも)
なので例えば、保有中のスワップポイントが20万円以上ある場合、その年にポジションを閉じてしまうと『利益が20万円以上出たから課税対象』になります。
スワップポイントはちょっと考えて決済するのがおすすめですよ!
【節税対策にもなるスワップポイント】
例えば、「トレードの利益が15万円出ている」とします。
別に「スワップポイントが10万円ある」とします。
この場合、スワップポイントのポジションを決済してしまうと「15万円+10万円=25万円」で課税対象になってしまいます。
ですが、スワップポイントのポジションを翌年まで持ち越せば「15万円」が今年の利益、来年が「10万円」の利益、となるため課税対象から外れます。
このように上手にスワップポイントを使うことで節税対策にもなるのです。
サラリーマンや公務員の人が会社にバレずに確定申告する方法は?
会社にばれずに確定申告する方法はあります。
確定申告書の記入欄に特別徴収にするか、普通徴収にするかの選択肢があります。
そこで「普通徴収」を選択してください。
そうすると、住民税納税用書類が自宅に届きます。
特別徴収にしてしまうとその書類が勤め先にも送られてしまうので、もしも会社などにばれたくない場合は「普通徴収」を選んでください。
税理士に相談する場合は、会社にはばれないようにしたいという旨を伝えればうまく手続きを行ってくれるので、多少お金がかかってもいいならば税理士にお願いすることが一番楽です。
関連記事:【副業でFXはサラリーマン、公務員に禁止なの?】
海外FXのキャッシュバックにも税金がかかるの注意
海外FXのキャッシュバックとは、キャッシュバックサイトを通じて海外FX業者を利用しトレードを行うと、スプレッドの一部がキャッシュバックされて戻ってくる、という仕組みのことです。
(XMなどのポイントキャッシュバック制度(XMP)は税金はかかりません)。
さて、そんなキャッシュバックにも税金がかかるのでしょうか?
海外FXのキャッシュバックにおいても確定申告は必要になります。
海外FXの場合、雑所得として計上する必要があり、キャッシュバックを含めた利益を確定申告する必要があります。
関連記事:【海外FXで得られるキャッシュバックとは?】

海外FXなら脱税はばれない?→バレます!!
「海外FX業者の取引口座は国内にないので確定申告しなくても平気なのでは?」と思わないでください。
必ず確定申告する義務があります。
国内FXではFXブローカーがトレーダーに「損益証明書」を送付するだけでなくFX業者は税務署にも提出しているので必ず未確定申告はバレてしまいます。
では、海外FXは海外口座なのに何故必ずバレるのでしょうか?
銀行などの金融機関は「国外送金等調書」を提出している
銀行やクレジット・信販会社などは「国外送金等調書」という資金移動の記録を税務署に提出しているからです。
- 入金目的で100万円以上の資金を海外に移動した場合
- 出金目的で100万円以上の資金を海外に移動した場合
には、金融機関はその資金移動を行った人の「送金目的」「送金額」「送金先口座情報」などの情報を税務署に提出しているのでバレてしまうのです。
(なぜばれるのか?をより詳しく知りたい人は下記の記事で解説してます!)
-
海外FXでも脱税はばれない?税金対策と節税のススメ
海外FXでは脱税はばれないのか? 海外FXの税金対策と節税についても解説していきます。 目 次1 海外FXでは脱税はばれない?2 FX取引で脱税がばれる理由2.1 国内FX取引で脱税がばれる仕組み2. ...
続きを見る
脱税などに無駄な労力は割かずに、素直に必要経費などを出して節税したほうが良いです。では節税対策になる必要経費について下記で解説します。
【節税】海外FXで必要経費にできるものなど
海外FXに対する税金は総合課税なので、利益が増えるほど税金が高くなる累進課税です。
しかし、税金を抑えるための節税はできます!
できるだけ節税はしていきましょう。
そのために必要経費として扱われそうな費用をできるだけ計上すべきです。
必要経費は確定申告する際に、提出しなければならないので以下の内容は覚えておいてください。
必要経費を計上するためには証拠がいる
確定申告する際には、必要経費の資料だとか領収書は特に必要ありません。
ですが後々、税務署の人などに「この必要経費はどういうこと?」といった感じに聞かれたときに説明できる材料は必要です。
なので必要経費の資料や領収書などの『証拠』はとっておかなければなりません。
その必要経費の領収書や資料などは5年間保管する義務があります。
つまり5年間の確定申告書類はいつ確認されてもおかしくないということ。
5年間しっかりと領収書などは保管しておきましょう。
海外FXを始める前には、細かいものでも領収書はとっておく癖をつけておくことをおススメします!

何が必要経費になるの?
必要経費として認められる可能性が高い費目はけっこうあります。
どの必要経費にせよ、必ず「領収書」や、勉強会などの「資料・レジュメ」は取っておきましょう。
必ず落とせる必要経費
以下はほぼ100%全額必要経費になります。プライベートの食事などは含まれません。
- FX関連の書籍
- FXのセミナー参加代、勉強会参加費
- そのセミナー会場までの交通費
一部が認められる必要経費
一部、というのは例えばプライベートと併用している物は5割ほどのみ認められる、ということです。
- パソコン・携帯端末の(使用)料金
- インターネット代(プロバイダ契約など)
- 椅子、デスク、棚、照明代などの周辺機材の料金
- 海外FX取引を行うための部屋の賃料(自宅であれば使用スペースで按分計算)
細かい部分は念のため税務署の人に確認したほうが良いでしょう。
必要経費として認められるかどうか分からないもの
- FX仲間との食事会の費用
- 勉強のための旅行費など
これらは必要経費として計上することは可能だとは思います。
しかし、証拠として残るものか難しかったり、のちのち税務署の人が疑問を持つかもしれないため、あまり積極的に計上するものではないです。
勉強会費などは確実に落ちるでしょうが、プライベートの旅行費は落ちないです。
意外と知られていない必要経費
- ECN口座の手数料
- 会食やセミナーで使うスーツなどの衣類
セミナーや会食などで必要な場合は「スーツ」なども一部は認められるそうですが、あまりに関係ないものは難しいでしょう。
しかし「できないよ」と言われたらその分は税金を払えばいいだけなので、ダメ元で計上してみてもいいでしょう。
また、ECN口座の手数料はOKとされていますので、MT4の損益データはアウトプットして5年間は取っておきましょう。
※ただし最近は海外FXに対する国の規制などが厳しくなっており、ECN口座の手数料もダメになっている可能性があるので、一概にすべて計上できると思わず迷ったら税理士に相談しましょう。
そのほかの税金対策、節税方法はコレ!
所得が複数ある方限定になりますが、「損益通算」をすることで節税ができます。
●損益通算とは…
総合課税の雑所得の損益を合算して、課税対象の所得額を減らすこと。
つまり、例えば海外FXの利益が100万円あるが、バイナリーオプションでの損失がマイナス50万円だった場合、課税対象となる所得額が50万円分となるということです。
この場合損益通算をしなければ、海外FXでの利益分100万円が課税対象となるので、納税する金額に大きな違いがでてきます。
そのため、同じ総合課税の雑所得に分類される所得を複数ある場合は活用して節税しましょう。
また、節税ではなくその場をしのぐ方法として、「ポジション保有し続ける」という対策もあります。
利益を確定しないでポジション保有し続けて、税金を支払う時期を後にすることができるということです。
いずれにせよ、納税は必ず行わなければならないので注意してください。
法人口座は税金対策になるの?
法人だと、FXの収入が年間800万円以上で一律課税所得額の25.5%となり、2000万稼いだ場合の税金が510万円となります。
個人だと、最大所得課税が50%にもなるため、2000万円稼いだ場合、1000万円も税金として引かれてしまいます。
また法人化させることで、保険料を国民保険から社会保険にできたり(FXでの稼ぎが大きくなるほど社会保険のほうが得)、必要経費として計上できるものの幅が広がります(例えば、社員への報酬、自動車代、外食代、出張費・旅費など)。
このように法人口座は税金対策・節税になりますが、デメリットもあります。
法人化させることに面倒な手続きが必要だったり、自分個人だけの収入にしてしまうと結果的に収入が変わらなかったりと、手間がかかっても収入が変わらないことも考えられます。
法人化、法人口座にする場合は、利益が大きく出ている、定期的利益を確定させることができている人が行うべきでしょう。
法人口座はFX上級者にはおすすめですが、それ以外の人は個人の口座のままのほうが良いでしょう。
海外FXで確定申告してみよう!【まとめ】
基本的に海外FXも他の所得の申告と同様ですが、費用や手間が最も少ない確定申告方法は国税庁サイトの「確定申告書等作成コーナー」でデータ作成~印刷し「書面提出(郵送or持参)」するのが事前準備が少なく最も楽です。
確定申告の際に揃えなければならない書類やその書き方は下記の記事にて詳細に解説しています。
関連記事:【e-Taxで確定申告したのでその方法をまとめた】
※上の記事はXMでの確定申告の方法ですが、どのFX業者も同じようにできます。