ここではFXと株の違いを簡単に解説します。
それぞれの特徴を比較しながら話していき、最後にどちらが良いか決めてみてください。
結論から言うと、投資金がある人は株を、投資金がない人はFXにチャレンジしてみてください。
目 次
FXと株の違いを簡単に比較
FX | 株 | |
---|---|---|
投資対象 | 各国の通貨 | 企業の株式 |
投資対象の数 | 約50~100種類 | 数1000社 |
取引できる時間 | 土日祝以外の平日 | 平日9時~15時 |
インカムゲイン | スワップポイント | 配当金 |
レバレッジ | 25倍~1000倍など | 1倍 |
値動きの違い | 数10% | 最大100倍 |
主な変動要因 | 各国の金融政策・経済状況など | 企業の業績、景気など |
取引を始めるために必要な資金 | 数1000円~ | 数万円~ |
税金 | 雑所得 | 譲渡所得、配当所得 |
投資する・トレードする対象
FXは世界各国の通貨ペアをトレードします。円や米ドル、ユーロなどの通貨が投資対象です。
例えばドル円や、ユーロドル、ユーロ円などの2つの通貨ペアの値動きを予想します。
投資可能な通貨ペアはFX会社によって異なるため、取引したい通貨ペアがあるFX会社を選ぶ必要があります。
株式投資は証券取引所に上場している企業の株式が対象です。
証券会社によっては、米国や欧州の海外の証券取引所に上場している企業にも投資できます。また複数の企業をパッケージにしたもの(ETF,投資信託)も取引できます。
投資対象の数
FXは約180種類の法定通貨から異なる2つの通貨を売買するため、多くの対象数がありますが、30~100種類とFX会社によって異なります。
株式投資は、国内だけでも上場企業が3,000社以上あり、米国や欧州を組み合わせると膨大な量になります。株もまた証券会社によって違うので、証券会社をよく選定する必要があります。
取引できる時間
FXは平日なら24時間取引できます。土日祝日は市場も閉まるため、基本的に平日のみ、いつでも取引できます。
株式投資は証券取引所が空いている時間のみです。
日本の証券取引所は平日9時~15時までです。
インカムゲイン(資産保有益)
インカムゲインとは資産保有益といい、その投資商材を保有しているだけで得られる利益のことです。
FXにはスワップポイントというインカムゲインがあります。
スワップポイントはその通貨ペアを所持しているだけで毎日付与されます。
しかしFXにはマイナススワップがつく場合もあり、逆に支払わなければならない場合もあるためスワップ運用をする場合は気を付けましょう。
株式投資にはインカムゲインとして配当金があります。
配当金は企業によって変わりますが、年1~2回もらえます。ただし企業によっては配当金なしとしているところもあります。
配当金はスワップポイントとは違い、毎日は入りませんが、年1,2回まとまった金額が入ってきます。
レバレッジ
FXはレバレッジという仕組みを使って、元手の何倍もの資金で取引できます。
国内のFX会社は最大25倍、海外のFX会社は400倍~1000倍など幅広いです。
レバレッジは資金を抑えながら取引できるため、うまく利用できれば少ない資金からでも大きなリターンを狙えます。
株にはそういったレバレッジがありません。売買価格そのままに取引することになります。
高い株の銘柄は1株1万~10万になる場合もあるため、資金に余裕がある方は株でトレードしましょう。
値動きの違い
値動きに関しては、FXは通貨ペア(法定通貨同士)という投資商材なので、普段からそれほど前後しません。通貨の価値が大きく変わってしまうと、生活に大きな支障をきたしてしまうからです。
それでも大きなイベントや経済指標発表などがある時は、大きく変動しますが3~5%程度で、年間を通しても30%前後でしょう。
しかし株式投資の場合は1年で10倍、100倍にもなる商材があります。
もちろんその投資した会社が倒産してしまえば0になりますが、FXも強制決済(ロスカット)の仕組みがあるため、リスクは変わらないとも言えます。
ただしそういった倒産するかもしれない危険な会社に投資するよりも、一般的に優良とされる会社へ投資したり、いくつもの会社がまとめられたETFなどに投資することが良いでしょう。
主な変動要因
FXは、通貨ペアを取引するため、その通貨のある各国の経済状況に左右されます。
例えばドル円ですと、米国・日本の金融政策などが発表されるタイミングや、日本で大きな地震が起きた時、米国の大統領選挙などの時期に大きく左右されます。
株式投資は、企業の業績や企業の施策などに左右されます。
決算はもちろん、新規事業の開始や業務提携先の問題、または提携先との合併などが影響を与えます。
取引を始めるために必要な資金
取引を始めるために必要な資金は、FXのほうが少なくて済みます。
というのもレバレッジという仕組みがあるおかげで、通常なら数100万円の投資を、1万円程度、また場合によっては1000円程度で取引できます。
レバレッジが高ければ高いほど、少ない投資金で済むので、少額しか用意できないけど投資してみたいという方にはおすすめです。
一方、株にはレバレッジのような仕組みはないので、買値のまま買う必要があります。買値が100ドル(約1万円)ならば、1株1万円でしか買えません。10株買いたい場合は10万円になります。
税金
FXでも株でも税率は20.315%(2021年12月現在)です。
海外FXですと税率は累進課税となり、稼げば稼ぐほど税率も大きくなります。
FXの税金区分は雑所得になり、株の税金区分は売却益は譲渡所得、配当金は配当所得になります。
FXと株のメリット・デメリット
メリット
FXと株のメリットはそれぞれ以下のようになっています。
- 投資対象が選びやすい
- 平日ならいつでも取引できる
- 少ない資金から始められる
- 企業に投資できるのでイメージしやすい
- 配当金がある
- 強制決済がないのでずっと保有できる
FX、株どちらも投資商材が選びやすいでしょう。FXならメジャー通貨ペアと呼ばれるドル円などをまずは取引すると良いでしょう。株はある企業に投資するため、その企業の情報などを調べておくと良いでしょう。
またFXは平日ならいつでも取引できるという点や、レバレッジを活かせば少ない資金からでも始められるため、敷居は低くなっています。
株に関しては配当金があること(FXにもスワップポイントという配当金に似た仕組みはあります)、強制決済がないためずっと塩漬けでも持っておける、という点が挙げられます。
FXと違い、株には強制決済がないため、ずっと持ち続けてプラスになったタイミングで売ることもできます。
デメリット
FXと株のデメリットはそれぞれ以下のようになっています。
- ロスカット(強制決済)がある
- マイナススワップがある
- 借金を負う可能性がある
- 1つ1つの株が高い
- 平日の日中しか取引できない
- 会社によっては倒産し、価値がなくなってしまう
株のデメリットとしては、やはりFXと比べると資金が必要ということでしょう。株は1株当たり1万円~10万円をこえるものも多く、敷居が高いです。
また平日の日中(9時~15時)しか取引ができません(予約注文、予約決済などは可能です)。他にも、最悪投資していた会社が倒産などでなくなってしまい、価値が0になってしまう場合もあります。
一方FXの大きなデメリットは、借金を負う可能性があるということです。通常ロスカットという強制決済の仕組みがあり、その仕組みによって資金が0になる前に決済されるようになっていますが、それでも間に合わない急変動の相場の場合、マイナスにずれ込んで決済となります。その場合、そのマイナスになった金額はトレーダー側が負担しなければなりません。
またマイナススワップポイントもあるため、長期保有の際は注意しましょう。
FXのデメリットは海外FXで解決できる
FXの大きなデメリットとして”借金を負ってしまう”ということを挙げました。
しかし、海外のFX会社ならば「ゼロカット」という仕組みがあるため、借金を負うことはなく、マイナス分は海外FX業者が支払う決まりがあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
また海外FXは強制決済のロスカットの水準も低いため、国内のFXよりも長く持ちこたえることができます。
投資初心者は株とFXのどちらがおすすめ?
上記のような株とFXの特徴・メリット・デメリットをよく比較したうえで、どちらが良いかを判断してみてください。
一言でどっちがおすすめ、というものではないのですが、投資金が少ない方はFXを、ある程度(10万円ほど)を用意できる方は株をやってみてはいかがでしょうか。
またFXは平日の24時間取引可能なため、誰でも取引しやすいというのが大きなメリットです。株も予約注文などがあります。予約注文などを覚えて、うまく取引できるようにしましょう。