FXでは一目均衡表というテクニカル指標を使う手法があります。今回はそんな「一目均衡表」別名「雲」を解説します。
それでは、MT4での一目均衡表の設定方法・見方や使い方も説明していきます。
目 次
一目均衡表とは?
一目均衡表とは、1936年に細田悟一氏が、ペンネーム”一目山人”で発表した、日本産のテクニカル指標のことです。
外国人トレーダーからも「ichimoku」として呼ばれ、「売り」「買い」を見極められる指標としても有名です。
一目均衡表は、主に5つの線から買いと売りのバランスを見て、トレンドの方向を予測する指標のため、使いこなせればトレンドを予測するだけでなく、決済タイミングも把握できるなど、FXトレーダーにとってはもはや必須・知っていて当たり前のテクニカル指標です。
今回はMT4での一目均衡表の設定方法と、一目均衡表の5本の線がどういった動きを見せたときに、どうトレンドが発生するのか解説します。
- ローソク足が雲を抜けたときにトレンド発生の確率大
- 基準線を転換線が越え、2つの線が同時に伸びたときにトレンド発生の確率大
- ローソク足が遅行スパンを抜けたときにトレンド発生の確率大
上記全部が揃った時、「三役好転(逆転)」と言い、より強い買いシグナル(売りシグナル)になります。まずはMT4での設定方法から詳しく見ていきましょう。
MT4で一目均衡表を表示する設定方法
まずはMT4で一目均衡表を表示する方法を解説します。
- STEP1設定したいチャート表示
一目均衡表を設定したい通貨ペアチャートを表示します(通貨ペアを右クリックして「チャートを表示」します)。
- STEP2一目均衡表をドラッグ
MT4の「ナビゲーター」の枠から、「インディケータ」「トレンド」「Ichimoku Kinko Hyo」(一目均衡表)を選択します。
その後、ドラッグ&ドロップで、表示したいチャートに表示します。
もしくは右クリックで「チャートに表示」をクリックします。 - STEP3設定
一目均衡表の設定をします(デフォルトでOK)。
転換線:9
基準線:26
先行スパンB:52 - STEP4表示される
上の設定が終わり「OK」を押せば、チャートに表示されます。
STEP3の一目均衡表の「設定」では、線の色などを変更できます。
また、あとから線の色を変えるには、一目均衡表のどこでも良いので、どこかのラインをダブルクリックすることで、設定画面を開けるので、そこから変えましょう。
削除したい時
また削除したい場合には、MT4上メニューから「チャート」「表示中のインディケータ」で設定画面を開き、「Ichimoku Kinko Hyo」を選択後「削除」を押せばOKです。
一目均衡表の見方
一目均衡表の見方、線の名前を解説します。
- 基準線:過去26日間の最高値と最安値の中心値を結んだ線。中期的な相場の方向性を示す。
- 転換線:過去9日間の最高値と最安値の中心値を結んだ線。短期的な相場の方向性を示す。
- 先行スパン:先行スパン1(上ライン)は、基準線と転換線の平均値の線。先行スパン2(下ライン)は過去52日間の最高値と最安値の中心。
- 雲:先行スパン1、先行スパン2に挟まれた場所。
- 遅行スパン:当日の終値。ローソク足26本分前に記載される。
一目均衡表の使い方
では実際に、一目均衡表の使い方を解説します。以下の売買サインを覚えて活用しましょう。
- ローソク足が雲を抜けたとき
- 基準線を転換線が越え、2つの線が同時に伸びたとき
- ローソク足が遅行スパンを抜けたとき
- ※また上記の2~3点が揃った時
ローソク足が雲を抜けたとき
雲は先行スパンで囲まれた点線内のことを指します。
この雲は一目均衡表においてかなり重要です。ここだけでも覚えましょう。といっても覚えることは単純です。
この雲の帯をローソク足(価格)が上に抜けたら買いサイン、逆に下に抜けたら売りサインと覚えましょう。
上の図では、Aの時点でローソク足が雲にかかり、雲を下ぬけると、一気に下降していっています。
Bの時点では、ローソク足が雲を上に抜けて上昇していっています。
一目均衡表ではこのローソク足と「雲」が重なってから上下どちらかに抜けたときが売買サインです。
- ローソク足が雲を上に抜けていった
→買いサイン - ローソク足が雲を下に抜けていった
→売りサイン
転換線が基準線を越え、2つの線が同時に伸びたとき
基準線は中期的な相場の方向性を示しています。一方、転換線は短期的な相場の方向性を示しています。
これらを移動平均線のように使います。つまり転換線が基準線を越えたら売買サインということです。
しかしこれだけだと売買サインとしては弱いため、転換線が基準線を越え、さらに2つの線が同じ方向へ伸びたら売買サインだと覚えておきましょう。
転換線と基準線の2つの線が同じ方向へ伸びているということは、トレンドが発生しているということを示しています。
Aの時点で基準線(青ライン)を転換線(赤ライン)が下ぬけていきます。その後下降トレンドになっています。
一方、Bの時点では一度転換線が上ぬけていますが、すぐに元の下降トレンドにもどっています。
この二つの違いは、基準線と転換線だけでは分かりませんが、先ほどのローソク足と雲の関係も見ると、分析しやすくなります。
Aではすぐにローソク足が雲にかかり、下に抜けていきます。
しかしBでは雲まで到達していません。
転換線(赤)が基準線(青)を超えたからといっても、それだけですと弱い売買サインと言えます。
C地点も、A同様に、転換線が基準線を上に越えた後、そのままローソク足が雲にかかって、上に抜けていくことが分かります。
このように転換線が基準線を越えただけで判断せず、移動平均線のように見ると良いでしょう。またローソク足と雲の関係もどうなっていくか、様子を見ながらトレードすることが望ましいと言えます。
- 転換線が基準線を越えたところがポイントになる
- しかし、それだけで判断せず、ローソク足と雲の動きも一緒に見よう
ローソク足が遅行スパンを抜けたとき
遅行スパンは、現在価格よりも26本前に送れて表示されている線です。
チャート上では価格や他の線よりも手前に表示されています。
この遅行スパンのラインから、ローソク足が抜けた時が売買サインです。
Bのローソク足の地点から、26本分遅れている黄色いラインが遅行スパン(A)です。
このAの遅行スパンができた時、Bの価格が白い点線のラインです。
そこからBは下に大きくずれました。
遅行スパンのラインから、ローソク足が抜けた時が売買サインなので、このAからBのローソク足が下ぬけたこのタイミングが売買サインになります。
- 26本分遅れている遅行スパンから、現在の価格(ローソク足)が大きくずれたときが売買サイン
- しかし、遅行スパンだけでなく、上記の雲や、転換線が基準線を越えたときなども参考にするべき
それぞれの動きが同時に起こった時
また、上記で説明したそれぞれのラインでの動きが同時に起こった時、売買サインが出ていると言えます。
- ローソク足が雲を抜けたとき
- 転換線が基準線を越え、2つの線が同時に伸びたとき
- ローソク足が遅行スパンを抜けたとき
これらが同時に起こった時は、信頼性が高い売買サインだと言えます。
まとめ|一目均衡表
MT4で一目均衡表を表示する方法・設定方法・見方・使い方を解説していきました。
一目均衡表はインディケータとしても優秀で、それぞれの売買サインを組み合わせることで、より勝率の高いトレードが可能になります。
ぜひ活用してみてください。