FX取引で、最も応用が効き、人気のあるテクニカル指標が「移動平均線」です。
ここではその移動平均線をMT4で設定する方法と、移動平均線を活かしたトレード方法を紹介します。
目 次
FXで利用する移動平均線とは?
移動平均線とは、トレンド系指標の代表・基本と言われるもので、一定期間の終値の平均値をつなぎ合わせた線です。
例えば、ある日の5日移動平均を引く場合、まず「(その当日を含む過去5日間の終値の合計値)÷5」でその日の求めることができます。
その次の日になれば、一番古いレートとその次のレートを入れ替えて計算し直し、それを続けていって線を結ぶと、移動平均線となります。
MT4では自動でその移動平均線を引く設定を行うことができます。
MT4 移動平均線の設定方法
まずはMT4を起動し、移動平均線を加えたいチャートを表示します。
ここでは例として「EUR/USD」のチャートに移動平均線を表示させてみたいと思います。
MT4 移動平均線(Moving Average)をクリックする
その後、MT4のバーにある「表示」をクリックし、「ナビゲーター」をクリックして表示させます。「ナビゲーター」はMT4の画面左に表示されます。
「ナビゲーター」を起動させると下記の画像ように表示されます。
そうしましたら、「ナビゲーター」内の「インディケーター」をクリックさせて表示、「トレンド」をクリックさせて表示、「Moving Average」をダブルクリック、またはチャート上にドラッグで起動させて、移動平均線の設定に入ります。
MT4 移動平均線の設定方法と、使用する期間の目安
「Moving Average」を起動させると、以下の画面が出てきますので、設定を行っていきます。
ここでは単純移動平均線を設定してみましょう。
まずは「パラメーター」を開き、「期間」の項目を確認します。
「期間」は、特に決まりがあるわけではありませんが、トレーダーの多くは目安として「5日」「21日」「25日」「75日」「89日」「200日」などが多く使われます。
管理人は短期、中期、長期期間を確認したいため、「25日」「75日」「200日」と設定しております。これは、移動平均線1本で相場の流れを把握するよりも、正確に把握できるからです。
まずは「25日」に設定してみましょう。
「25日」の移動平均線は「25日間の終値の合計を、25で割った数値」で求められた点を線で結ぶことで成り立ちます。
続いて、「移動平均の種別」を「Simple」(単純移動平均線)にします。
「適用価格」は基本的に終値を示す「Close」にします。
「スタイル」ですが、これは自分の使いやすいようにカスタマイズしてください。
線の色や、点線や破線のような線の種類、線の太さなどが選べます。
設定が終わり「OK」をクリックすると、上記のように移動平均線が表示されました。
同じように「期間」に「75日」「200日」を加えて設定してみます。
青い線が「75日」、赤い線が「200日」になります。
以上が、(単純)移動平均線のMT4での設定方法です。
移動平均線を活用してトレードする方法
移動平均線を表示させるだけでも、チャートが見やすく、トレンドが捉えやすくなります。
特に有名、有効なパターンを4つ詳しく解説していきます。
①ゴールデンクロス・デッドクロス
ゴールデンクロスとデッドクロスは、移動平均線の交差から読み取る相場転換のシグナルで、短期と長期など、二つ以上の移動平均線から売買のタイミングを判断します。
ゴールデンクロスは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に突き抜けた状態で、買いのサインです。
短期線が長期線を上抜くのは、直近の上昇スピードが強くなっていることを意味しているため、上昇トレンドへの転換をサインとなります。
デッドクロスは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に突き抜けた状態で、売りのサインです。
先ほどのゴールデンクロスとは反対に長期線が横ばいか下降トレンドの時に上から下に抜く形になるため、下降トレンドへの転換のサインにもなります。
しかし、このゴールデンクロスとデッドクロスは騙しも多く発生します。
そこで移動平均線の向きに注意を払うだけでなく、ローソク足の形やそれらの組み合わせなどからも併せて判断します。
②乖離
乖離は移動平均線乖離率というもので「○%」として表すことができますが、ここでは簡単に乖離とは移動平均線から大きく離れた価格が、もとの水準に戻ろうとすることと覚えてください。
乖離という元の水準に戻ろうとする力を利用して、勝率の高いトレードが可能になります。
大きく移動平均線から離れた価格になったら、移動平均線のほうへ戻ると考えてトレードしていくと良いでしょう。
③パーフェクトオーダー
パーフェクトオーダーとは、短期・中期・長期の3本の移動平均線が順番に同じ方向へ並んで、トレンドが発生している状態のことをいいます。
パーフェクトオーダーが現れると、画像のようにトレンドが発生していることがわかります。
素直に順張りでトレンドに乗ることができれば、勝率の高いトレードをすることができます。
また乖離などど組み合わせながら、パーフェクトオーダーの中でトレードをしていけば、効率よく稼ぐこともできます。
④グランビルの8つの法則
グランビルの法則は、昔から存在する分析方法で、実勢レートと移動平均線の位置関係から判断する8つの法則です。
最も一般的な分析方法とされていますが、騙しが多いので他の分析方法やここで紹介した移動平均線の分析方法から総合的に判断する必要があります。
✓買いのサイン
- 移動平均線が下落局面から横ばいに推移した後、その下に位置したレートが移動平均線を上抜き上昇に転じたとき
- 上昇している移動平均線を、その上に位置したレートが一瞬下に割込んでから、すぐに押し返されたとき
- 上昇している移動平均線に対し、その上に位置したレートが移動平均線に近づいた後、移動平均線にクロスせずに手前で反発したとき
- 下降中の移動平均線の下に位置するレートが、移動平均線と大きく乖離したとき
✓売りのサイン
- 移動平均線が上昇局面から横ばいに推移した後、その上に位置したレートが移動平均線を下に抜け下落に転じたとき
- 下降している移動平均線を、その下に位置したレートが一瞬上に抜き、すぐに押し戻されて反発したとき
- 下降している移動平均線に対し、その下に位置したレートが移動平均線に近づいた後、移動平均線にクロスせずに手前で反発したとき
- 上昇中の移動平均線の上に位置するレートが、移動平均線と大きく乖離したとき
移動平均線の売買は順張り【まとめ】
移動平均線についての分析など、簡単に紹介しました。
移動平均線を使った売買は、基本的には順張りで、他の分析方法などと組み合わせて使用します。
紹介してきた画像を見てもわかるとおり、移動平均線だけに頼ると騙しに簡単に引っかかってしまいます。
騙しを回避するためにも他の手法と併せて使用すると、移動平均線はその実力を発揮します。