ここではFXの用語、約定力について解説します。
またその約定に関わりのある「約定率」「スリッページ」も合わせて解説します。
目 次
約定力とは?
約定力とは、注文を成立させるスピードのことを指します。また注文を決済するスピードや、その両方を指すこともあります。
この約定力が低いと、注文したい時に注文しても、うまく発注されず、時間がずれてポジションを取ってしまうことがあります。
つまり約定力が低いと、希望した注文が通らず、不利なポジションを保有してしまうことにもなってしまいます。
また「数秒違うだけでそれほど取引の結果は変わるのか?」と疑問に思う人もいるかもしれませんが、短期売買を繰り返すスキャルピングを行う人にとっては数秒の違いが大きな違いになります。
スキャルピングは1日に何度も取引を繰り返すため、数pipsの違いが大きな利益・損失になります。
そのため約定力の高さはより多くの利益を得るため、損失を抑えるためにもとても重要な要素となっています。
約定とは?
約定とは、売買が成立することを指します。
この売買の成立スピードのことを「約定力」と言います。
約定率とは?
約定率とは、約定が自分が想定した時間帯で注文できる確率のことを指します。
FX業者が約定力を表す時に、この確率(%)を使います。公式サイトなどで「約定率〇%」などと書かれていることがありますが、これによって約定力があるかも判断できる、というわけです。
約定力が高い・低いの判断基準は?
ではそんな約定力が高い・低いの判断基準はどうやって判断するのでしょうか?
主に以下の4つで判断できます。
- 約定率と約定スピード
- カバー先金融機関が多いかどうか
- サーバーが置かれている場所
- サーバーのスペック
約定率と約定スピード
前述した約定率と約定の速さはとても大事です。
この2つはFX会社の公式サイトで発表されていることもありますが、そうでない場合もあります。
発表されている場合はその数値を指標にして、そうでない場合は実際にデモ口座などでトレードしてみて、自分が発注したいタイミングでちゃんと発注できるか試してみましょう。
ただしデモ口座は、リアル口座とサーバーが違うことも多いため、参考までにしましょう。
LP先・カバー先金融機関が多いか
カバー先金融機関が多いかどうかでも約定力の高さ・低さの判断材料になります。
そもそもFXトレードをする場合、トレード画面に表示される為替レートはインターバンク市場から提示されている価格になります。
インターバンク市場は世界の金融機関や証券取引で取引されている市場で、世界中の金融機関が取引を行っています。
海外FXではそのインターバンク市場の他、カバー先金融機関やLP(リクイディティプロパイダ)が価格を提示しています。
つまりそのLP・カバー先金融機関が多い方が流動も安定します。
例えば、複数のトレーダーがFX会社に1ドル100円の買い注文を100件出したとします。
それと同時に1ドル100円で売り注文が50件は言った場合、相殺し、残りの50件をカバー先やLPに流します。
そこで相殺できなかった残りの50件を、カバー先・LPが探して相殺します。
つまりカバー先・LPが多いほど多くのレートを表示できるため、約定も安定するのです。
サーバーが置かれている場所
FX業者がおいているサーバーの場所でも、約定は変化するときがあります。
特に海外FXで取引する場合、日本にサーバーがないと遅延が起こる可能性があります。
サーバーがどこに置かれているかはチェックの仕様がないため、各FX業者に問い合わせるしかありません。
サーバーのスペック
サーバーが設置されている場所も大事ですが、一番大切なのはスペックです。
サーバーのスペックも個人が理解するには少々難しいため、あまり考える必要はありませんが、日本にサーバーが設置されていながらも遅いと感じる場合、スペックの問題の可能性があります。
もちろん「大量注文が入るタイミングだった」など、他の原因も考えられるため一概にはいえませんが目安にはなります。
サーバー関連はFX会社の公式サイトで確認するしか方法がないため、乗っていない場合、あまり深く考えなくても良いでしょう。
スリッページとは?
約定がなんらかの原因で弱くなり、注文した価格で取引が成立せずに違った価格で取引が成立することを「スリッページ」や「すべり」と言います。
スリッページは不利な価格で起こることもあれば、有利な価格にずれ込んで注文が通ることもあります。
ではどうしてこのような滑りが起きるのでしょうか。
約定力が弱い
一番の原因は約定力が弱く、うまく注文や決済ができないためです。
約定力が弱くなる原因としては前述したLPやカバー先金融機関が少なかったり、サーバーの不調などが考えられます。
流動性が低い
他の原因として、通貨の注文や決済がとてもすくない通貨ペアなどの場合にもスリッページは起こりやすくなります。
その通貨ぺアや商品を取り扱っている人がすくないため、自分が取引したいタイミングで発注できないことがあるからです。
このように商品や通貨の流動性が低いとスリッページは起こりやすくなります。
朝6時~8時頃の時間帯
日本時間で朝6時~朝8時の間は、FX取引をする人が少なくなるため、商品全体の流動性が落ちます。
そのためスリッページが起きやすくなります。取引する際には注意しましょう。
国内のFX業者は故意にスリッページを起こすこともある
国内のFX業者は故意に不利なスリッページを起こすこともあります。
国内FX業者は法律で「呑み行為」や「スリッページ」を認められているため、いつわざとロスカットを起こされても文句は言えないトレード環境になっています。詳しくは以下の記事をご覧ください。
もちろん、流動性が低い時などもあるため、一概にわざとスリッページを起こしている、とはいえませんが、数々の証拠がSNSなどに挙がっているのでぜひ一度調べてみてください。
約定力が高い海外FXは?平均値で比較
約定力が高い海外FX業者は以下の通りです。約定スピードの平均値で計測しました。
約定率・約定力の最高値で比較したランキングは以下から確認してください。