※4月22日に更に追記しました。(追記文章までジャンプ)
ここはXMのエネルギーCFD商品の原油(Oil)と、原油ミニ(OilMn)について解説しています。
FX通貨ペアの取引とは異なる部分もあるので注意しましょう。
原油商品は0.01lotから取引でき、日本円で「約800~900円」で取引できます(相場により変動します)。
なお、下記にてXMの使い勝手についてレビューした記事も用意していますので、よろしければ併せてお読みください…!
※2020年3月時点で、OIL(原油/MNも)が「取引できない」「ポジションを持てない」「指値/逆指値が入れられない」との報告があります。
今相場が底値を記録し、買い注文などができないようになっている可能性があります。(【まとめ】にて追記アリ)
目 次
【XMで取引】 原油の種類
海外FXには通常先物CFD商品を扱っていますが、中には原油(エネルギー)を扱っているFX会社もあります。
XMも例外ではなく、原油もFX通貨ペアと同じように取引できます。
ここでは主にメジャーな「OIL」と「OILMn」について詳しく解説します。
OIL(原油)
OILは、一番代表的な原油商品で、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)と呼ばれる原油を原資産にした商品。
XMでは「OIL」と呼ばれていますが、FX会社によっては「Crude OIL」とも呼びます。
アメリカ国内で産出される原油6%・世界で産出される原油の1~2%ほどを占め、硫黄分が少ないため石油製品やガソリンに適している軽質油です。世界の原油価格はこのWTI原油価格をもとに決められています。
先物商品のため、MT4(MT5)では「OIL-〇〇〇19」のように「決済される月」と「西暦年下2桁」が表示されます。
例えばある日のMT4上では「OIL-OCT19」と表示されます。つまり、10月19日(October 19)に強制決済されるということなのでその前には決済しておきたいところです。
このCFD特有の強制決済の日が決まっていることは”限月”というのですが、下の方で詳しく解説しています【下記「限月」の説明にジャンプ】。
OIL Mn(原油ミニ)
上のOILが1ロット100バレルという単位で取引できるのに対して、OILMn(原油ミニ)は1ロット10バレルで取引できます。
取引ロットを下げることで、多くの人にも手が届く値段になる、多くの人が取引しやすくなっているのです。
つまり物としては「原油(OIL)」と同じです。取引時間や相場の動きもOilと全く同じですので、Oil(原油)より安く取引できるのがOilMn(原油ミニ)です。
バレルとは……原油の取引単位のことで、樽を意味しています。昔は原油を樽に入れて取引していたので、その名残です。
原油ミニもMT4(MT5)上では「OILMn-〇〇〇19」と、「決済される月」「西暦下2桁」が表示されます。
「必要証拠金」と「レバレッジ」に注意しよう
原油は取引単位にbarrels(バレル)という単位を使います。
USDだったら「ドル」、JPYだったら「円」という意味と同じような意味で、原油だったら「バレル」という単位です。
1ロット=100バレルと、覚えておきましょう。原油ミニは1ロット=10バレルです。
必要証拠金の計算方法と、最低必要証拠金
一応計算方法は以下の通りですが、覚える必要はないです。最低必要証拠金は約825円と覚えておきましょう(相場により変動します)。
証拠金=ロット数 × コントラクトサイズ × オープン価格 × 証拠金率
- ロット数:取引するロット数(1Lotなら”1”、0.01lotなら”0.01”など)
- コントラクトサイズ:最低取引単位(OILの場合100バレルなので”100”)
- オープン価格:現在の価格のこと。売り(ショート)の場合はBID値、買い(ロング)の場合はASK値が当てはまる
- 証拠金率:FX会社によって決まっている数字(XMは1.5%)
- 原油の価格が現在約55ドル
- 1ロット(100バレル)で取引するとする
計算すると……「1ロット」×「100バレル」×「55ドル」×「1.5%」=「82.5ドル」となります。つまり、原油を1ロット取引するためには日本円で約82,500円が証拠金として必要になります。0.01ロットなら825円でOKということです。
なのでこの項目の冒頭でも述べた通り、最低必要証拠金は約825円です。ただし相場により変動しますので参考値にしてください。
レバレッジは66倍固定
XMの先物CFD商品の原油(OIL、OILMn)のレバレッジは66倍です。
海外FXのCFD商品の多くは最初に証拠金率が決まっています。
例えば、XMでの場合、レバレッジの倍率を最大100倍などにしていてもCFD商品を取引するときには自動で66倍になります。
「1ロット数の大きさ」値幅は?
XMは原油と原油ミニで1ロットの大きさが違います。
- 原油(Oil):1ロット=100barrels
- 原油ミニ(OilMn):1ロット=10barrels
最大保有ロット数
- 原油:400ロット
- 原油ミニ:4000ロット
【利益幅】1円幅=100ドル
1円幅の値動きでは100ドルの利損益になります。
例えば、
1ロットのポジションを持って、1円幅抜いた場合、100ドル(約1万円)の利益
ということ。
10ロットなら、1円の値動きで、1,000ドル(約10万円)
100ロットなら、1円の値動きで、10,000ドル(約100万円)
他の特徴
必要証拠金とレバレッジ以外の、原油の特徴を以下で解説します。
取引時間
取引時間は原油も原油ミニも同じ取引時間です。
XMの原油の取引時間は以下の通りです。
原油OIL(原油ミニOILMnも同じ)
- 冬時間:月曜日 7:05 ~ 土曜日 5:10
- 夏時間:月曜日 6:05 ~ 土曜日 4:10
※平日 5:55 ~ 9:05 はメンテナスのため取引できません。(夏時間は 4:55 ~ 8:05)
XMの取引時間について詳しくは下記で解説しています。
限月
原油取引には限月というものが存在します。
限月とは満期日を示しており、つまり保有期間が定められている、ということで、FX取引を中心に行っている人には馴染みがないかと思います。
先物などにはよくあるのですが、XMの原油は最長3か月しか保有できません。そのためずっと塩漬けしておこう、と思ってもできませんので注意しましょう。3か月間決済しないと、強制的に決済されてしまいます。
ですので詳しい日にちやタイミングは「XMのエネルギーのカレンダー」から確認できますので、取引する際には確認しておきましょう。
スワップ無し
スワップポイントはありません。
もともと限月もあって塩漬けできないので、特に考える必要はないでしょう。
マイナススワップもつかないので、中期的なトレードをするのには向いていますね。長期で運用する際には限月に注意しましょう。
ボラティリティ高い
原油商品はそのボラティリティの高さから、短期的な売買をする人から人気があります。
しかしトレードに慣れている人でも価格変動の激しさからロスカットとなってしまうこともあるので、デモトレードで練習したり、口座をわけたりしてリスクヘッジを行いましょう。
同じボラティリティの高さでは貴金属なども人気商品です。
両建て(ヘッジ取引)
XMの原油商品にポジションをヘッジする場合、必要証拠金は常に50%です。証拠金維持率が100%を超える場合も同様です。
つまり、両建て(ヘッジ取引)する場合、必要証拠金は50%で良いということ。
例えば、
- ロングで1ロット
- ショートで1ロット
の両建てを行う場合には、本来は必要証拠金は2ロット分がかかるはず。
しかし原油の場合は、これを50%の1ロットでOKだよ、ということ。
つまり、片方の必要証拠金分で買いも売りも両方のポジションを持つことができます。
デモチャートで実証実験してみましたが、必要証拠金の額がほぼ変わっていないのがわかりますよね。4円ほど減っているのは1分くらいズレたのと、スプレッドです。
ちなみに下画像はドル円で両建てした結果、めちゃくちゃ必要証拠金が減ってます(笑)
両建て手法は難しい部分も多いですが、必要証拠金50%で固定は普通のFX商品の通貨ペアでやるよりは良い勝率を叩き出せるかもしれません。
ですがボラティリティが高いので、どちらかが利確できても、どちらかが大損、ということになりかねません。どちらにしろ資金は厚めにしておいたほうが良いでしょう。
スプレッド(約5pips)
XMの原油CFD商品のスプレッドは約5pips。相場の動きなどによって多少の変動はありますが、ほぼ5pipsです。
国内FXですと約3pips~4pipsほどなので、やや広いです。
しかしレバレッジ倍率と、ボラティリティの高さからそれほど気にならないでしょう。それでもCFD商品(原油に限らず)は基本的にどれもスプレッドは広めなので、XMでCFD商品を扱う場合、デイトレード~スイングトレードなどで取引していくのが基本です。
原油トレードの使い方
原油はボラティリティの高さが凄まじいです。マイナー通貨と同じくらい。
ですので運用には細心の注意が必要です。1日で1円の値幅を取ることもざらなので、トレードを間違えなければ割と稼ぎやすい相場でもありますが、結構慣れている人でないとどうなのかなと思います。
慣れ、というのはOCO注文とか、スムーズにできる人という意味です。
例えばOCO注文(予約注文)ならロングもショートも予約しておけば、どちらかだけのポジションを持てるので、うまく取引できれば一気に資金を増やせます。
元々の資金が少なめの人は、原油ミニ(OilMn)で取引を行っていった方が良いでしょう。
※追記(2020年3月)
冒頭でも述べました通り、XMでOIL(OILMNも)2020年3月時点で、
- 「取引できない」
- 「ポジションを持てない」
- 「指値/逆指値が入れられない」
との報告があります。
※現在は普通にトレード可能です。以下の内容は過去のものです。
今相場が底値を記録し、買い注文などができないようになっている可能性があります。
(逆に今買い注文が通ればかなり儲けられるかも……もちろん買い注文が通ってもその後「買い注文がキャンセルされた」との声も聞こえたので、無理かもしれませんが)
現在多くのCFD商品の相場が荒れていて、ポジションを持てない商品もいくつかあります。
例えばXMではないですが、AXIORYでは「フランスCAC40」の取引が売り注文を禁止しています。
欧州規制当局によって決定したことなので、おそらく他のFX業者でフランスCACを取り扱っている所は規制されていると思います。
公式サイトに告知がある物から、ないものまで様々ですので、常に情報には敏感でいる必要があります。
当サイトも常に新しい情報を集めているので、また何かありましたら記事などでまとめたいと思います。
【4月22日追記】原油、史上初のマイナス価格
4月21日、原油の供給過剰により、WTI原油先物が1バレル当たりマイナス40.32ドルまで急落し、史上初めてマイナスを記録しました。
- 原油貯蔵スペース限界で、WTI原油先物がマイナス価格
- カナダドルや原油相場に影響を受ける通貨が下落
- 市場全体は、緩やかなリスクオフの流れ
- 円と米ドル上昇、株価とNZドル下落
(中略)原油価格がマイナスとなった背景には、原油貯蔵施設のスペースが限界に達していることがあるようです。更に、本日に、WTIの5月物の取引期限が迫ったことによる売りの動きもあったようです。WTI先物取引の現物の受け渡しが行われる米オクラホマ州では、貯蔵スペースが満杯となっているようです。(参考:XMTradingニュース)
また、AXIORYでは原油の取引を制限しています。以下がメール内容の一部。
まとめると……
- CL(原油)商品は、新しいポジションを持てなくなった
- 今持っているポジションは決済することはできる
- 原油の市場が改善されたら、またいつもの取引環境に戻す
AXIORYやXMでは取引に制限が設けられているようですね。
今後もコロナショックによって原油だけでなく様々な商品が激しい動きや、初めての動きを見せることもあります。
FX業者の手腕が問われるところでもありますし、トレーダーの方も無理のない取引を心掛けたほうが良いですね。
※現在は普通にトレード可能です。