XMでは両建ては禁止されていません。
両建てとは、同じ通貨ペアで買いと売り両方のポジションを持つ取引手法のこと。
しかし、禁止されている両建てのルールもあるので注意が必要です。
ここでは以下など解説します。
- 両建てのルール
- 禁止されている両建てはばれるのか?
- ばれるとペナルティが課されるのか?
- XMで両建てを行うメリット
XMは両建てを禁止していない
XMは両建てを禁止していません。公式ページでも両建てを認めています(クリックで拡大)。
しかし、禁止されている両建てもあります。
XMは「一つの取引口座でポジションを両建ていただけます」と説明している通り、同じ口座内での両建ては認められています。
経済指標発表時の両建てもOKだが…
XMは同一口座内であれば、レートが大きく動きやすい米国の雇用統計などの指標発表時の両建ても禁止されていません。
とのこと。
ただし損益に大きな影響が出そうな相場に関してはレートの変動が激しいため、基本的には両建てはやらない方が良いでしょう。
XMでの両建ての禁止事項は?
XM内の異なる複数口座間の両建ては禁止
XMでは最大8つまでの口座を保有でき(1つのアカウントで8つまで追加口座を作れる)、同一口座内で同一通貨ペアの両建てポジションを持つことは認められています。しかし、別の追加口座を使った複数口座間の反対売買の両建ては禁止されています。
たとえば、同一アカウント内で2つの口座を持っている場合、
- 口座A:ドル円の買い + ドル円の売り・・・認められる
- 口座A:ドル円の買い + 口座B:ドル円の売り・・・禁止されている
となります。
禁止されている理由は、別口座間での両建てが可能だとゼロカット(マイナス残高リセット)を悪用できてしまうからです。
XMは口座残高よりも大きな損失が発生しても追証を請求しないゼロカットを導入しています。
両建てによって一方の口座で大きく利益を出してもう一方の口座で大きな損失を出してしまった場合……
損失を出してしまった口座では口座残高分の損失(ゼロカット)で済み、別の口座では儲ける、といったことが可能になってしまうので別口座間での両建ては禁止されているのです。
アービトラージ(裁定取引)も禁止
上記と同様にXMと他のFX業者の口座との間で同一通貨ペアの反対売買のポジションを持つことも禁止されています。
業者間ではレートの提示に時間差が生じることが多く、この時間差によって生じる価格差分を狙って利益を上げられるので禁止されています。
XMまたは別業者において自動売買システムを利用している場合、システムが勝手にエントリーすることで知らぬ間に裁定取引となる可能性があるので注意が必要です。
他人の口座間での両建ても禁止
友人などグループ間で行われる同一通貨ペアの反対売買が該当します。Aさんの口座で買い、Bさんの口座で売りポジションを持って、一方の口座で利益を出せる両建ても禁止されています。
別の通貨ペア間での両建ても禁止となる可能性がある
また、異なる口座同士で、同一通貨ペアでなく、異なる通貨ペアでも1つの通貨が共通している場合、禁止トレードと見なされることがあります。
たとえば、ユーロ/円で買いポジション、ユーロ/ポンドで売りポジションを同時に保有し、ユーロで反対売買がなされている場合、特にロット数が同じであると規約違反と見なされる可能性があります。
XMで禁止されている両建てはばれるのか?
XM内の別口座同士の両建てが簡単にばれることは察しが付くと思いますが、では、別業者間やグループ間での両建てもばれるのでしょうか?
答えは、ばれます。
MT4では業者を問わずすべての取引履歴が管理されており、別業者の口座のプラットフォームがMT4であれば、XMはMT4の履歴をチェックできるようになっているのでばれるのです(別業者から見ればXMでの取引履歴もチェック可能)。
ばれると、どんなペナルティーがあるの?
禁止されている両建てに限らず、規約違反に該当する行為が発覚すると、
- 両建てで得た利益の取消し
- 出金拒否を受けるリスクがある
利益の取消しが行われ、一時的に入金した資金分も出金できない状態となります、最悪、口座凍結もあり得ます。
もしXM口座側がロスカットしてしまったり、ゼロカットが実施されている場合、利用規約でも言われていることですが、XMが負担したゼロカット分の損失が20万円であれば、ペナルティーとして口座残高から20万円を差し引かれることもあります。
たとえ、無意識で禁止されている両建てを行った場合でも、大切な資金をリスクにさらすことになるので十分に注意しましょう。
XMで両建てするメリットとは?
XMでの両建ての証拠金はゼロになる
XMで両建てをすると証拠金がゼロになります。
同じ通貨ペアで同じロットサイズの「買い」と「売り」のポジションを保有している間は証拠金が不要になり、両方のポジションの保有中は損失が拡大しなくなります。
通常、買い売りのポジションの片方または両方で証拠金が必要になります。
XMの両建てでは両方のポジションで証拠金が不要となるので、証拠金不足になって強制ロスカットとなるのを防ぎます。
トレンド相場での両建ては稼ぎやすい
トレンドが継続するなら、両建てとして保有した反対注文(トレンドに逆行するポジション)だけを決済して、トレンドについて行けるポジションだけを残しながら利益を増やすことができます。
しかし言うのは簡単ですが、使い方次第ではすべてのポジションで損切をせざるを得ない状況にもなることがあるので十分注意してください。
押し目なども活用すれば稼げる!
両建ては同じロットサイズで行えばポジション保有中は証拠金が発生しません。
それを利用し、押し目買いなどにおいて異なるロットサイズで短期的な両建てを繰り返していく方法も効果的です。
たとえば、トレンド相場で行うポジショントレード(長期保有)での両建ては有効です。
トレンドが続いている中では必ず「押し目」や「戻り」が入ります。
下の上昇トレンドの日足単位でも押し目が発生しており、もっと短い時間足であればさらに多くの細かい押し目が発生しています。
判断は簡単ではありませんが、押し目に向かうタイミングでの両建ても有効です。
上記のような上昇トレンドでは、たとえば、買いポジションを保持しながら大きな利益を狙いつつ、反対売買することで下がった分の利益を獲得していく両建てもあります。
つまり、トレンドに沿って利益を伸ばしていくポジションとは別に短期ポジションによって追加の利益を増やしていく戦法で、以下のメリットがあります。
- 既に買いポジションがあれば、新規の逆ポジション(売り)でリスクヘッジできる
- 思惑通りレートが下がれば同時に買いポジションも追加
- 一つの押し目で2度の利益を獲得できる
押し目において短期的な売買決済を繰り返すことで利益を増やしていける可能性があります。
XMポイントが貯まる
XMでは両建てを行うことによって、ボーナスに換金できるXMポイントを効率よく増やすことができます。
両建てによる両方のポジションの取引量に応じたポイントが貯まるからです。
ただし、ロスカット直前に両建てポジションを保有した場合はボーナス規約違反の対象となることがあるので注意が必要です。
もちろんロスカット直前でなければ問題なくXMポイントが貯まります。
スワップ狙いの両建てはおすすめできない
おすすめできない理由はXMでは売り買いのスワップの差額がプラスになる通貨ペアが見当たらないからです。
XMのスワップポイントは比較的に良いほうなのですが、たとえば、EUR/TRY(ユーロ/トルコリラ)で両建てした場合、
- 買い=-6,565円
- 売り=+3,546円
差額=-3,019円
という具合なので、スワップ狙いならば両建てではなく普通にポジションを保有した方が良いと言えます。
XMでの両建ては儲かるのか?
結論から言うと上級者でないと難しいのかなと思います。
XMは、同一口座内の両建てを認めている一方で禁止している両建てもあるので注意しましょう。
一昔前ではゼロカット狙いの両建てなども可能でしたが、トレーダーだけが儲かる一方でXMが損失を被ってしまう取引への監視は非常に厳しくなっており、とにかく、XMでは禁止されている両建てトレードはまずばれると考えましょう。
無意識のうちに禁止トレードを行ってしまい、出金拒否や口座凍結などのペナルティーを受けないようにポジションの管理には十分気を付けるようにしましょう。