ここでは、海外FX業者の「安全性」をご確認いただけるよう各社の金融ライセンスの保有状況と信託保全の導入状況を以下にご紹介します。
かつてリーマン・ブラザーズが経営破綻した「リーマンショック」が引き金となった「世界同時不況」のように予測が付かない危機が発生すると、たとえどんなに優れた金融サービス事業者であったとしても経営不振や経営破たんする可能性があります。
万が一、FX業者が経営破たんし自分が預けている資金が戻らなくなったら...。
そんなリスクをできるだけ回避するにはFX業者が日ごろからどのような資金管理体制を敷いているのかをチェックしておくべきです。
目 次
- 1 そもそも分別管理とは?
- 2 当サイトの海外FX業者の「金融ライセンス」比較
- 3 おすすめ海外FX業者の「信託保全」比較
- 4 海外FX業者 XM(エックスエム)の金融ライセンス情報
- 5 海外FX業者 HotForex(ホットフォレックス)の金融ライセンス情報
- 6 海外FX業者 AXIORY(アキシオリー)の金融ライセンス情報
- 7 海外FX業者 FxPro(FXプロ)の金融ライセンス情報
- 8 海外FX業者 TitanFX(タイタンFX)の金融ライセンス情報
- 9 海外FX業者 LAND-FX(ランドFX)の金融ライセンス情報
- 10 FxProとLAND-FXの信託保全、「FCAライセンス」って安全?
- 11 XMとHotForexの「キプロスライセンス」の安全性はどうなの?
- 12 キプロス金融ライセンスと、投資家補償基金(ICF)とは?
- 13 日本人なら知っておきたいキプロスなどのランセンス事情【まとめ】
そもそも分別管理とは?
投資家が海外FX口座に預けている資金は、海外FX業者にとっては「預かっている資産」であり自社に所有権がないことから、海外FX業者が事業を行っていくための運転資金や経営資金から分離された状態で管理される必要があります。
そのように海外FX業者の資金とは別に管理されることを、分別管理と言います。
金融ライセンスを取得している海外FX業者は、ライセンスによって分別管理を行う義務があります。
また、投資家(トレーダー)から預かっている資金を、運転資金や経営資金を管理している銀行口座とは別の口座で管理されながら監査法人のチェックを受ける必要もあります。
信託保全とは?
日本では金融庁が国内FX業者に対して信託保全を義務化していますが、海外FX業界では義務化されておらず、日本で言う預金保険機構によるペイオフのように、金融規制当局と連携して政府機関が万が一の場合に投資家の資産を補償する制度が導入されています。
つまり、海外FX業者などの金融機関が破綻・倒産した場合にトレーダーの資金を補償してくれるのが信託保全です。
たとえば、キプロス証券取引委員会(CySEC)や英国の金融行為監督機構(FCA)から取得している海外FX業者の場合、前者では投資家補償基金(ICF)、後者では金融サービス補償機構(FSCS)が投資家の資産を補償してくれます。
キプロスライセンス系海外FX業者の取引口座に資金を預けている場合、最大2万ユーロ(約250万円)まで、英国のFCAライセンス系では最大5万ポンド(約650万円)までの資金が補償されて返還されます。
また、ごく一部ですが、任意で大手銀行の信託口座で投資家の資金を信託保全させ、大手監査法人などによる監査を受けている海外FX業者もあります。したがって、確実に金融ライセンスを保有しながら政府系機関による補償制度や任意に信託保全を導入している海外FX業者で口座開設を行ってから取引を行うようにしましょう。
当サイトがおすすめしているfx業者は、以下の3点の2つか、またはすべての管理/制度を整えています。
- 金融ライセンスを取得している
- 分別管理を行っている
- 補償制度もしくは任意で信託保全を導入している
当サイトの海外FX業者の「金融ライセンス」比較
当サイトで紹介している海外FX業者6社の、金融ライセンスの保有状況と、許認可登録状況は以下の通りとなっています。
- XM:セーシェル金融庁(FSA)、キプロス証券取引委員会(CySEC)、MiFID(欧州金融商品市場令)、英国金融行為監督機構(FCA)
- AXIORY:ベリーズ国際金融サービス委員会(IFSC)
- FxPro:キプロス証券取引委員会(CySEC)、英国金融行為監督機構(FCA)、ドバイ金融サービス機構(DFSA)、バハマ証券委員会(SCB)
- TitanFX:ニュージーランド証券投資委員会(NZFSP)
- HotForex:キプロス証券取引委員会(CySEC)、セントビンセント・グラナディーン金融庁、南アフリカ金融サービス委員会
- LAND-FX:英国金融行為監督機構(FCA)、ニュージーランド証券投資委員会(NZFSP)
上記の通り当サイトおすすめ海外FX業者の全てが金融ライセンスを取得しており、XM、FxPro、LAND-FXは複数の金融ライセンスを保有し、欧州各国でMiFIDに準拠している許認可の登録も行われています。
金融ライセンスとは、金融規制当局がFX業者に対して「信頼の証」としてお墨付きを与えているものであるため、複数のライセンスを保有していない海外FX業者も安全です。
しかしより安全性の面で金融ライセンスを重視するならば、XM、FxProとLAND-FXの3社がおすすめでしょう。
おすすめ海外FX業者の「信託保全」比較
当サイトで紹介している海外FX業者6社の、信託保全の状況は以下の通りとなっています。
- XM:投資家補償基金(ICF)による信託保全「2万~5万ユーロまで補償」
- AXIORY:ユニオン銀行の信託口座にて信託保全「全額補償(”入出金額並びに確定運用損益、未決済の評価損益が補償”)※」
- FxPro:投資家補償基金(ICF)「2万~5万ユーロまで補償」・金融サービス補償機構(FSCS)による信託保全「5万ポンドまで補償」
- TitanFX:ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)の信託口座にて信託保全「全額補償」
- HotForex:投資家補償基金(ICF)による信託保全「2万~5万ユーロまで補償」
- LAND-FX:金融サービス補償機構(FSCS)による信託保全「5万ポンドまで補償」
※公式HPにも記載されていることを確認しています。
なお、2万~5万ユーロは約250万~約650万円、5万ポンドは約600万円(レートにより変動)。
投資家補償基金(ICF)による信託保全では、キプロス証券取引委員会(CySEC)の金融ライセンスを取得しているXMとFxPro、HotForexで取引されている投資家の資金は最低2万ユーロ(約250万円)まで保護・補償されます。HotForexはそれに加え最大5万ユーロ(約650万円)まで保証する対策を講じています。
金融補償サービス機構(FSCS)による信託保全では、英国金融行為監督機構(FCA)の金融ライセンスを取得しているFxProとLAND-FXで取引されている投資家の資金は最大5万ポンド(約600万円)まで保護・補償されます。
AXIORYでは、投資家の資金はユニオン銀行の信託口座で分離管理されながら世界4大監査法人であるプライスウォーターハウスクーパース(PwC)社による会計監査を受けています。
さらにAXIORYは、ベリーズ国際金融サービス委員会IFCSに規約やルールの届け出を行い、定期的な監査機関との運用状態、財務状況の監査を行っているなど、徹底しています。
また、TitanFXでは、世界的にもトップクラスの大手銀行であるNAB(ナショナル・オーストラリア銀行)の信託口座で分離管理されているので安全だといえるでしょう。
海外FX業者 XM(エックスエム)の金融ライセンス情報
XMの正式社名「Trading Point Of Financial Instruments」であり、下記の通りキプロス証券取引委員会(CySec)、セーシェル金融庁から金融ライセンスを取得しています。
また、XMは、欧州10ヶ国で、MiFID(欧州金融商品市場令)に準拠した金融業者登録しています。
キプロス証券取引委員会(CySEC)から取得している金融ライセンス
キプロスでは、キプロス証券取引委員会から金融ライセンスを取得している金融サービス事業者は、ICF(投資家補償基金)への加盟が義務付けられており、XMも加盟しています。
ICFに加盟しているFX業者に預託している投資家の資金・資産は、万が一のことがあっても最大2万ユーロまでICFによって補償されるます(2万ユーロまでの信託保全)。
ライセンス番号:120/10
ライセンス取得日:2010年8月5日
業者登録番号:251334
セーシェル金融庁から取得している金融ライセンス
ライセンス番号:SD010
ライセンス取得日:2016年2月8日
XMはもともとキプロス証券取引委員会(CySEC)のライセンスの下で日本在住の顧客向けにサービスを提供していましたが、2016年以降はTrading Point(Seychelles)Limited(XMTrading)がサービス提供を行っています。同社の運営自体はCySEC下のキプロス本社が行っており取引サーバー等のサービス環境はキプロスのままなので信頼性は十分あると考えて良いでしょう。
下記の欧州10ヶ国の金融規制当局にて金融業者登録済み
欧州では金融サービス事業者に対する厳格な規制がMiFID(金融商品市場令)によって課せられており、XM(エックスエム)は10ヶ国で登録されています。
海外FX業者 HotForex(ホットフォレックス)の金融ライセンス情報
HotForexとはHF Marketsグループの統一ブランドであり、以下の金融ライセンスを取得しており、金融規制当局から管理・監督下で営業しているので信用面で不安はありません。
- キプロス証券取引委員会(CySEC):企業登録No.277582 / ライセンスNo.183//12
- セントビンセント・グラナディーン金融庁:企業登録No.22747 / ライセンスNo.2015
- 南アフリカ金融サービス委員会:金融サービス業登録no.46632
以下がHotForexが取得している、キプロス証券取引委員会(CySEC)からの金融ライセンスです。
以下がHotForexが取得している、セントビンセント・グラナディーン金融庁からの金融ライセンスです。
海外FX業者 AXIORY(アキシオリー)の金融ライセンス情報
ベリーズ国際金融サービス委員会(IFSC)の金融ライセンスでは主に以下の点で厳格な管理が求められます。
- 内部統制(コーポレートガバナンス、財務管理、リスク管理、マネーロンダリング対策、資金管理など)
- 分別管理(顧客資金と営業用資産の完全分離管理、信託保全)
ライセンス番号:IFSC/60/255/TS/14
ライセンス取得日:2013年12月27日
べリース国際金融サービス委員会ウェブページ上の取得情報はこちら
UnionBank(ユニオンバンク)による安全な資金管理体制
AXIORYでは、顧客から預かったすべての口座タイプの資金は、一旦資金保全先の「UnionBank」の分別管理保管口座へ入金され、アキシオリーの運営資金とは完全に分離した状態で管理保管されます。
また、アキシオリーでは公式ホームページにて、下記のような記載をしています。
- 補償される資金は、直接お預かりした資金の全額となります。(入出金額並びに確定運用損益、未決済の評価損益が補償の対象となります。)
- 万が一当社が破綻した場合、監査機構の名義にて、お客さま口座の総額が返金されます。
このことから、顧客の資金がすべて補償されているということがわかります。
海外FX業者 FxPro(FXプロ)の金融ライセンス情報
FxProは、下記の通りキプロス証券取引委員会(CySec)と英国の金融行為監督機構(FCA)から金融ライセンスを取得しています。また、MiFID(欧州金融商品市場令)にも準拠しています。
キプロス証券取引委員会(CySEC)から取得している金融ライセンス
キプロスでは、キプロス証券取引委員会から金融ライセンスを取得している金融サービス事業者は、ICF(投資家補償基金)への加盟が義務付けられており、FxProも加盟しています。
ICFに加盟しているFX業者に預託している投資家の資金・資産は、万が一のことがあっても最大2万ユーロまでICFによって補償されるます(2万ユーロまでの信託保全)。
ライセンス番号:078/07
ライセンス取得日:2007年3月5日
業者登録番号:181344
英国 金融行為監督機構(FCA)から取得している金融ライセンス
FXPRO UK LimitedはFCAからライセンス取得(登録番号:509956 登録年月日:2010年8月18日)、FXPRO Financial Services LTD.はMiFID(欧州金融商品市場令)に準拠しています(登録番号:477418 登録年月日:2008年1月8日)。
FCAライセンスを取得しているので金融サービス補償機構(FSCS)に加盟しており、FxProに万が一のことがあっても、投資家の資金・資産は、最大5万ポンド「約650万円)までFSCSによって補償されるます(5万ユーロまでの信託保全)。
海外FX業者 TitanFX(タイタンFX)の金融ライセンス情報
ニュージーランド証券投資委員会(NZFSP)から認可登録を得ている海外FX業者です。また、信託保全を導入しており、投資家の資金は、トップクラスの大手銀行ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)の信託口座で管理されています。
ライセンス番号:FSP388647
ライセンス取得日:2014年7月22日
海外FX業者 LAND-FX(ランドFX)の金融ライセンス情報
英国のFCA(金融行為監督機構)の金融ライセンスを保有しており、ニュージーランド証券投資委員会(NZFSP)において認可登録しています。
英国 金融行為監督機構(FCA)から取得している金融ライセンス
FCAライセンス保有業者の口座に預託されている投資家の資金は、FSCS(金融サービス補償機構)によって最大5万ポンド(約650万円)まで補償されます。
ライセンス番号:709866
ライセンス取得日:2016年6月7日
ニュージーランド証券投資委員会(NZFSP)から取得している金融ライセンス
ライセンス番号:FSP264385
ライセンス取得日:2013年3月17日
FxProとLAND-FXの信託保全、「FCAライセンス」って安全?
海外FXでは国内FXのように信託保全の導入が義務化されていませんが、当サイトで紹介しているAXIORY(アキシオリー)やTitanFX(タイタンFX)は任意かつ独自に信託保全を導入しているため安全です。
では、FxPro、LAND-FXは、英国の金融行為監督機構(FCA)と健全性規制機構(PRA)からライセンスを取得していますが安全性はどうなのでしょうか?
FCAライセンスを所持している場合、倒産などによって投資家から預かっている資金を返還できなくなった時、FSCSという機関により最大5万ポンド(約700万円)まで投資家の資金を補償してくれるのです。
FSCS(英国金融サービス補償機構)とは?
FSCSとは、英国金融サービス補償機構のことであり、英国政府関係の機関です。
日本の預金保険機構と同じような役割を担っています。
以下から詳しく説明します。
FCAとPRAからのライセンスを保有している海外FX業者の顧客の資金を補償
英国の金融行為監督機構(FCA)と健全性規制機構(PRA)からライセンスを取得している海外FXが倒産などによって投資家から預かっている資金を返還できなくなった場合、FSCS(金融サービス補償機構)により投資家の資金は最大5万ポンドまで補償されます。
下記fscsの公式ホームページを見てください。
赤枠内には、
「FSCS protect consumers when authorised financial services firms fail. We’ve helped millions of people and paid billions of pounds in compensation since 2001.」
(FSCSはライセンス保有業者が債務不履行に陥った場合、FSCSは2001年以降、その業者の顧客に対して補償金を支払ってきました)
と書かれています。
具体的には、下記の公式HPに引きました青線に書かれている通りです。
- 青線①:FSCSは、ライセンス保有している金融サービス事業者が債務不履行となった場合に当該事業者の債務を投資家に対し補償する制度である(FSCS protects consumers when financial services firms fail [or go bust]. It’s the compensation scheme for customers of UK authorised financial services firms. Since 2001 we’ve helped millions of people and paid out billions of pounds.)
- 青線②:FSCSは、FCA(英国金融行為監督機構)とPRA(英国健全性規制機構)から金融ライセンスを取得している金融サービス事業者の顧客を保護する制度である(We cover business conducted by firms authorised by the Financial Conduct Authority (FCA) and the Prudential Regulation Authority (PRA).)
- 青線③:FSCSの補償は投資を対象としている(FSCS protects the following: Investment business)
このような投資家保護システムが英国政府によって設けられており、当サイトが紹介しているFxPro、LAND-FXはFCAライセンスを保有しているのでこれらの海外FX業者の投資家の資金は最大5万ポンド(約700万円)まで補償されます。
FSCS補償には上限があるが、実質、信託保全と変わらない
上記のFSCSの公式HPのタイトルには「Compensation Limits」とありますが、これは「補償上限額」のことです。
青枠内の「Investments: £50,000 per person per firm (for claims against firms declared in default from 1 January 2010). 100% of the first £50,000.(投資資金の場合、一人当たり(一企業当たり)5万ポンド(約700万円)までが補償される)」と書かれているとおり、FCAライセンスを取得しているFxProとLAND-FXの顧客であればFSCSの保護・補償対象となります。
約700万円という上限付きですが実質的には信託保全と変わらない保護システムの下で取引を行える安全性はおすすめです。
XMとHotForexの「キプロスライセンス」の安全性はどうなの?
XMやHotForexはキプロスライセンスを保有していますが、日本人はキプロスライセンスとは別のライセンス管理下にあります。
しかし、もともとは日本人顧客もキプロスライセンス下でしたが、日本の金融庁の圧力がかかり、日本人トレーダーがキプロスライセンスの下ではトレードできなくなってしまったのです。
そのため、わざわざXMやHotForexは日本人顧客のために別のライセンスを取り直したのです。
そのような背景はありますが、今回は
- キプロスライセンスとは何なのか?
- 悪い点もあるのでは?
- 本当に優良なライセンスなの?
といったことを解説していきます。
キプロス金融ライセンスと、投資家補償基金(ICF)とは?
キプロス金融ライセンスとは、キプロス共和国の証券取引委員会(CySec)が発行している金融ライセンスです。
この金融ライセンスを保有している場合、そのFX業者などの金融業者は投資家補償基金(ICF: Investor Compensation Funds)に加盟することになっています。
ICFに加盟している海外FX業者の取引口座でトレードしていれば、万が一、トレーダーの資金が払い戻されない事態となっても、ICFによって最大2万ユーロまで補償されます。2万ユーロ(約250万円)までという上限付きですが、トレーダーの資産(資金)が保護されることから一つの安全性の指標にもされています。
したがって、ICFに加盟しているかどうかも海外FX業者を選択するための一つの判断材料となります。
キプロス金融ライセンスを保有している海外FX業者
キプロスにおいて設立された金融サービス業者は、Investment Services and Activities and Regulated Markets Law(投資サービス活動および規制市場法、2007年成立)という国内法の第17条によってICFへの加盟が義務付けられており、当サイトでおすすめしている海外FX業者 XMTrading(エックスエム)、HotForex(ホットフォレックス)、FxPro(FXプロ)の3社はキプロス証券取引委員会(CySec)の金融ライセンスを保有し投資家補償基金(ICF)に加盟しています。
万が一、経営難に陥ったりしたとしてもXM、HotForex、Fxproでトレードを行っていれば2万ユーロ(約250万円)までですがICFによって補償されます。
海外FX業者の信頼性・安全性を確認するための絶対条件は金融ライセンスの取得状況をチェックすることです。
短所、注意点も!ほんとに安全?
確かに、キプロスライセンスを保有しているFX業者は、投資家補償基金(ICF)の登録が義務付けられているため2万ユーロまで保証されています。
ですが、金融業者における2万ユーロ(約250万円)はかなり低い金額だといえます。
補償されているからといって必ずしも安全ではないということは知っておかなければなりません。
FXは資金力があればるほど勝ちやすくなるため、個人投資家などはかなりの金額をつぎ込んでいます。
そのため、2万ユーロでは心もとないというのが本音です。
それでもゼロカットやハイレバという大きなメリットがあるので、多くのトレーダーが海外FXを選択しているのです。
キプロスライセンスの良い点、長所
投資家補償基金で2万ユーロは安すぎる、ということを前述しました。
しかし、勘違いしてほしくないのは、キプロスライセンスはかなりの取得難易度を誇る金融ライセンスだということです。
確かに保障されている資金は2万ユーロ(約250万円)と少額ですが、キプロスライセンス自体はかなり優良なライセンスです。
かなり念入りな準備が必要で、どのような運営をしているのかといった資料や、内部の資金状況などを徹底的に調べられたうえで、金融業者として運営できると判断し得る材料がすべて揃って初めてキプロスライセンスを発行してもらえるのです。
つまり、それだけその金融業者の内部事情が信用できるということでもあります。
日本人なら知っておきたいキプロスなどのランセンス事情【まとめ】
ここまで読んで、補償基金は心許ないが、キプロスライセンスはかなり優良なライセンスであることはわかってもらえたかと思います。
冒頭でも軽く触れましたが、日本人顧客はキプロスライセンス下にはありません。
もともとは日本人顧客もキプロスライセンス下にありました。
しかし日本の金融庁が圧力をかけて、キプロスライセンスの元では金融取引を行えないようにしてしまいました。
なぜかというと、まず日本の資金を海外で落とさせないためです。
日本のトレーダーを国内FX業者などで囲い込んでしまいたいという意図があります。
建前としては海外FXのハイレバで資金を失ってしまうから、というのが日本の金融庁の言い分です。
これは国内FX業者のレバレッジ規制からもうかがえますが、しかしあくまでこれは建前。
なぜなら国内FXには顧客の資金以上の大きい損失に対してはその分払わなければならないというルールがあり(借金/追証あり)、海外FXには資金以上の損失はゼロにするゼロカットというルール(借金/追証なし)があるため、レバレッジが高い海外FXでトレードするより、借金の可能性がある国内FXのほうがリスクがあるからです。
この日本の金融庁の規制に対して、海外FXは別のライセンスを取り直し、その管理下に日本人顧客を置いたのです。
そのため、日本人顧客のライセンスは名ばかりなものが多く、甘く見ても安全とは言えないライセンスです。
しかし背景には金融庁の圧力と、海外FX業者の苦労があることを知っておくと、FX業者を選ぶうえでの良い判断材料になります。
- XM、HotForex、FxProなど、日本人顧客用のFX業者はキプロスライセンスを所有していない
- しかし、日本の金融庁の思惑もある。圧力がかかる前はキプロスライセンス下にあった
- キプロスライセンスでも、補償基金は正直微妙
- しかし、キプロスライセンスはかなりの取得難易度を誇るものなので、本社は安全