「スプレッド」とは買い値と売り値の差額のことを言います。
今回なぜそれらが広がってしまうのかを解説します。
一言でまとめると以下のとおりです。
- レートの急激な変動
- 流動性が低い
- カバー先が少ない
そんなスプレッドには国内FXと海外FXで差があり、国内FXのほうが狭くなっています。
しかしスプレッドが狭いからといって国内FX業者のほうがよいのかというと、そうとも言い切れません。
国内FX業者17社と、海外FX業者18社のスプレッドをまとめて比較しながら、簡単に説明していきます。

目 次
国内FX業者の固定スプレッドと、海外FXの変動スプレッド比較
国内FX業者は基本的に固定スプレッドで、変動しません。
ですが、重要な経済指標時などは広くなる傾向にあります。
海外FX業者は変動スプレッドで、基本的に毎秒変化しています。
国内FX業者17社の、主要通貨ペア別のスプレッド比較
まずは、固定スプレッドを採用している国内FX業者のスプレッドを比較してみました。
17社のスプレッド比較で、最も安かったのがマネースクウェアジャパンとSBIFXトレードでした。他、GMOクリック証券、YJFX!、DMM FX、外為どっとコム、ヒロセ通商 LION FXなども狭いスプレッドを提供しています。
ただ、スキャルピングなどが禁止されていたり、認めているものの嫌う業者もおり、私自身国内FXを利用していた当初はスリッページにあったこともあります。
国内FX業者 | 取引手数料 | 米ドル円 | ユーロ円 | ポンド円 | 豪ドル円 | カナダドル円 | ユーロ米ドル | 豪ドル米ドル |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
GMOクリック証券 | 無料 | 0.3 | 0.5 | 1.0 | 0.7 | 1.7 | 0.5 | 0.9 |
YJFX! | 無料 | 0.3 | 0.5 | 1.0 | 0.7 | 1.8 | 0.6 | 0.9 |
DMM FX | 無料 | 0.3 | 0.5 | 1.0 | 0.7 | 1.7 | 0.5 | 0.9 |
外為どっとコム | 無料 | 0.3 | 0.5 | 1.0 | 0.7 | 1.7 | 0.5 | 0.9 |
ヒロセ通商 LIONFX | 無料 | 0.3 | 0.5 | 1.0 | 0.7 | 1.7 | 0.4 | 0.9 |
SBI FX トレード | 無料 | 0.3 | 0.4 | 0.9 | 0.6 | 1.7 | 0.5 | 1.4 |
外為オンライン | 無料 | 1.0 | 2.0 | 3.0 | 3.0 | 5.0 | 1.0 | 2.0 |
FXブロードネット | 無料 | 0.3 | 0.5 | 1.5 | 0.6 | 4.8 | 0.3 | 1.9 |
FXプライムbyGMO | 無料 | 0.6 | 0.9 | 1.8 | 1.3 | 1.7 | 1.0 | 1.4 |
JFX | 無料 | 0.3 | 0.5 | 1.0 | 0.7 | 1.7 | 0.4 | 0.8 |
みんなのFX | 無料 | 0.3 | 0.4 | 0.9 | 0.4 | 5.0 | 0.9 | 0.8 |
サクソバンク証券 | 無料 | 0.3 | 0.8 | 1.2 | 0.7 | 1.0 | 0.5 | 0.8 |
マネーパートナーズ | 無料 | 0.3 | 0.4 | 0.9 | 0.6 | 4.8 | 1.9 | 0.9 |
インヴァスト証券 | 無料 | 0.3 | 2.0 | 2.2 | 1.8 | 2.7 | 0.8 | 1.4 |
ライブスター証券 | 無料 | 0.6 | 1.6 | 2.0 | 1.5 | 2.5 | 0.6 | 2.6 |
マネースクウェア・ジャパン | 無料 | 0.3 | 0.4 | 0.4 | 0.5 | 1.0 | 0.3 | 0.4 |
ひまわり証券 | 無料 | 1.0 | 1.6 | 2.0 | 1.5 | 2.5 | 2.0 | 1.5 |
管理人おすすめの海外FX業者6社の主要通貨別平均スプレッドを比較
海外FXは変動制スプレッドを採用しているため、スプレッドには最小/平均/最大の3種類があります。
平均スプレッドで比較するのが基本ですので、ここでは平均スプレッドと、ECN口座については取引手数料も含んだスプレッドを比較してみました。
ECN口座の( )内が往復の取引手数料込みのスプレッドとなっています。
通貨ごとに一番広いスプレッドが赤色で、一番狭いスプレッドが青色で記してあります。
なお、一番狭いスプレッドは基本的にECN口座ですので、括弧内の往復の手数料込みの価格を比較して青色で記しています。
単位は「pips」、1ドルは0.1pipsです。
2列目の取引手数料は片道……つまりポジションを持つ段階で下の表分の手数料がかかり、決済したタイミングでまた表分の取引手数料がかかる、という仕組みです。
海外FX業者 | 取引手数料 (片道) | 米ドル/円 | ユーロ/円 | ポンド/円 | 豪ドル/円 | カナダドル/円 | ユーロ/米ドル | 豪ドル/米ドル |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
AXIORY スタンダード口座 (STP) | 無し | 1.50 | 1.70 | 2.60 | 2.10 | 2.30 | 1.40 | 1.80 |
AXIORY ナノスプレッド口座 (ECN) | 3.0ドル (往復6ドル) | 0.50 (1.10) | 0.70 (1.30) | 1.00 (1.60) | 0.90 (1.50) | 1.10 (1.70) | 0.30 (1.50) | 0.60 (1.20) |
TitanFX スタンダード口座 (STP) | 無し | 1.30 | 1.60 | 2.40 | 2.00 | 2.00 | 1.30 | 1.50 |
TitanFX ブレード口座 (ECN) | 3.5ドル (往復7ドル) | 0.35 (1.05) | 0.70 (1.40) | 1.50 (2.20) | 1.10 (1.80) | 1.10 (1.80) | 0.20 (0.90) | 0.50 (1.20) |
HotForex マイクロ口座 (STP) | 無し | 0.9 | 1.60 | 2.30 | 2.00 | 2.10 | 1.10 | 1.90 |
HotForex プレミアム口座 (STP) | 無し | 0.9 | 1.60 | 2.30 | 2.00 | 2.10 | 1.10 | 1.90 |
HotForex ゼロ口座 (ECN) | ・メジャー通貨3.0ドル (往復6ドル) ・その他4.0ドル (往復8ドル) | 0.20 (0.80) | 0.80 (1.40) | 1.40 (2.0) | 1.00 (1.60) | 0.90 (1.50) | 0.10 (0.70) | 0.80 (1.60) |
FxPro MT5口座 (STP) | 無し | 1.60 | 1.30 | 3.20 | 3.00 | 3.00 | 1.40 | 1.60 |
FxPro Markets口座 (STP) | 無し | 1.40 | 1.80 | 3.00 | 2.80 | 2.80 | 1.20 | 1.40 |
FxPro cTrader口座 (ECN) | 4.5ドル (往復9ドル) | 0.50 (1.40) | 0.90 (1.80) | 1.20 (2.10) | 1.00 (1.90) | 1.00 (1.90) | 0.30 (1.20) | 0.80 (1.70) |
LAND-FX ライブ口座 (STP) | 無し | 1.00 | 1.90 | 2.60 | 2.50 | 2.40 | 1.40 | 2.00 |
LAND-FX LPボーナス口座 (STP) | 無し | 0.80 | 1.50 | 1.80 | 1.60 | 0.80 | 1.20 | 0.90 |
LAND-FX ECN口座 | 3.5ドル (往復7ドル) | 0.50 (1.20) | 0.90 (1.60) | 1.00 (1.70) | 0.80 (1.50) | 1.10 (1.80) | 0.40 (1.10) | 0.70 (1.40) |
XM マイクロ口座 (STP) | 無し | 1.70 | 2.50 | 3.60 | 3.50 | 3.50 | 1.70 | 2.00 |
XM スタンダード口座 (STP) | 無し | 1.70 | 2.50 | 3.60 | 2.50 | 3.50 | 1.70 | 2.00 |
XM ゼロ口座 (ECN) | 5.0ドル (往復10ドル) | 0.40 (1.40) | 0.50 (1.50) | 0.70 (1.70) | 0.90 (1.90) | 1.00 (2.00) | 0.30 (1.30) | 0.50 (1.50) |
ほかの海外FX12社のECN口座の平均スプレッドも比較してみた
以下は上記以外の海外FX業者のスプレッドの比較になります。
ECN口座でも手数料が無料なFX業者もいます。
(ただ個人的に「手数料無料、超低スプレッド」を謳った海外FXを経験したことがありますが、スリッページが多発したり、NDDと言いながらDD方式だと思われる取引だったので、何とも言えません)
取引手数料は片道で、括弧の中が往復の手数料です。
海外FX業者 | 取引手数料 | 米ドル円 | ユーロ円 | ポンド円 | 豪ドル円 | カナダドル円 | ユーロ米ドル | 豪ドル米ドル |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
TRADEVIEW | 2.5ドル (5ドル) | 0.1 (0.6) | 0.3 (0.8) | 1.1 (1.6) | 0.7 (1.2) | 0.8 (1.3) | 0.1 (0.6) | 0.4 (0.9) |
FBS | 6ドル (12ドル) | 0.2 (1.4) | 0.3 (1.5) | 0.3 (1.5) | 0.2 (1.4) | 0.4 (1.6) | 0.7 (1.9) | 2.0 (3.2) |
GemFoex | 無料 | 0.1 | 0.5 | 1.0 | 1.1 | 0.8 | 0.1 | 0.8 |
is6.com | 無料 | 0.8 | 1.1 | 1.5 | 1.4 | 1.4 | 0.7 | 1.0 |
MILTON MARKETS | 4ドル (8ドル) | 0.3 (1.1) | 0.2 (1.0) | 0.2 (1.0) | 0.1 (0.9) | 0.1 (0.9) | 0.2 (1.0) | 0.3 (1.1) |
iFOREX | 無料 | 2.0 | 2.0 | 5.0 | 5.0 | 4.5 | 2.0 | 3.0 |
Tickmill | 1ドル (2ドル) | 0.2 (0.4) | 0.7 (0.9) | 1.1 (1.3) | 0.9 (1.1) | 0.9 (1.1) | 0.2 (0.4) | 0.4 (0.6) |
traderstrast (TTCM) | 1.5ドル (3ドル) | 0.4 (0.7) | 0.5 (0.8) | 0.9 (1.2) | 1.0 (1.3) | 0.9 (1.2) | 0.3 (0.6) | 0.5 (0.8) |
XLNtrade | 無料 | 1.0 | 1.0 | 3.0 | 4.0 | 3.5 | 1.0 | 2.0 |
Anzo Capital Limited | 3.6ドル (7.2ドル) | 0.4 (1.12) | 0.3 (1.02) | 0.7 (1.42) | 0.4 (1.12) | 0.4 (1.12) | 0.1 (0.82) | 0.2 (0.92) |
IFCMarkets | 無料 | 1.8 | 2.5 | 5.5 | 3.5 | 3.5 | 1.8 | 2.0 |
AceForex | 無料 | 0.8 | 1.2 | 0.7 | 1.3 | 1.3 | 0.7 | 0.8 |
スプレッドが狭いAXIORYのリアルタイムスプレッド
スプレッドが狭く、私が使ってきた中で一番スキャルピングなどにおすすめなのがAXIORYのECN口座であるナノスプレッド口座です。
ナノスプレッド口座(ctraderでやってます)のリアルタイムスプレッドは以下をご覧ください。
≪米ドル円、ユーロ円≫

≪英ポンド円、豪ドル円≫

スプレッドを平均で比較する理由
スプレッドを比較するにあたり、最小スプレッドと平均スプレッドで比較していますが、注意点として、スプレッドは”平均値”で見るようにしましょう。
なぜかというと、海外FXではスプレッドは変動制を採用しています。
つまり、スプレッドがかなり狭い時もあれば、反対に重要な経済指標時などはかなり広いときもあります。
そのスプレッドの開きは業者にもよりますが、たとえ最小スプレッドが0.1pipsだとしても、平均は2.0pipsなどということもありえます。
そのため、海外FX業者のスプレッドは平均で比較しなければ意味がないのです。
スプレッドを見るときには平均値でみるようにしましょう!
(上記の表では全通貨平均の部分で、かつ括弧内を比較しましょう)
スキャルピングするなら海外FXのECN口座が必須だと思う
海外FXではSTP口座とECN口座があります。
これらのコストはスプレッドと取引手数料を合計すると、ECN口座のほうがお得になっています。
ECN口座はもともとスプレッドも狭く、また約定力も強く、スプレッドの広がりも少ないため取引コストの安さに関してはECN口座のほうがおすすめといえるでしょう。
スキャルピングという短期取引を行いたい人は、特にトレード回数が多くなるため、スプレッドを注視しておきたいところです。
そのためスキャルピングをしたい人はECN口座一択でしょう。
スプレッドで海外FX業者を選ぶ際の注意点
スプレッドでFX業者を選択するにあたり、必要な注意点もあります。
- スプレッドが広いとスキャルピング(超短期売買)には向かないので、スキャルピングをする場合にはスプレッドが狭いFX業者を選ぶ
- 約定力も重要視する
利用する海外FX業者しだいでコストに大きな差が出る。スプレッドを重視すること!
スプレッドは、取引ごとにかかるコストであり、取引ごとのスプレッドが小さくても、取引回数が多くなると以外とコストが嵩んでしまいます。
海外FX業者ごとに提示しているスプレッドは異なっており、FX取引に利用する業者の選び方しだいではコストにかなりの差が生まれます。
特に、取引回数と取引量が多く小さな利幅を狙うスキャルピングを多用している場合、コストが利益を上回ってしまい「費用対効果」が悪くなることもあるので、狭いスプレッドの海外FX業者を利用した方が良いでしょう。
特にスキャルピングがしたいならば、一番取引コストが抑えられ、スプレッドの狭いAXIORYのECN口座”ナノスプレッド口座”がおすすめです。

スプレッドと合わせて約定力も重要
海外FX業者のスプレッドを比較する際には、約定力も優れた業者かどうかも肝心です。提示されているスプレッドがどんなに狭く(安く)ても、注文時や決済時に狙ったレート通りに約定されないとスプレッドは広く(高く)なってしまうからです。
つまり、約定力が弱い業者の場合、取引が集中したり相場が急変したりするとスリッページ(すべり)が発生することがあるのです。
当サイトが紹介している海外FX業者の約定力をご確認されたい方は下記の記事をお読みください。

スプレッドが広がる理由とは?

スプレッドは買い値と売り値の差額のことです。
上の画像のように、売り値が112円14.6銭で、買い値が112円14.9銭の場合、その差は0.3銭あります。
例えば1ドルを同じ「時刻」に買った場合、どちらも同じ金額になるはずです。
同じ時間に1ドル=112円ならば、売ろうが買おうが本来なら同じ値段でなければおかしいのです。
つまりスプレッドとは「手数料」のようなもので、上の画像のレートでFX取引した場合、0.3銭がFX業者の利益になるのです。
これがスプレッドです。
このスプレッドは毎秒少しずつ変化しているのですが、時々かなりの広がりをみせることがあります。
それにはどういう理由があるのでしょうか。
主に以下の3つが考えられます。
- レートの急激な変動
- 流動性が低い
- カバー先が少ない
レートの急激な変動

レートが変動すると約定を出す顧客が多くなりますが、国内FX業者はそのときにスプレッドを広くします。
変動時にスプレッドの広がりを大きくすることでFX業者は利益を得ています。
またレートが急激に変動するとスプレッドを広げます。
最初からスプレッドを広くしておけば早めに強制ロスカットになる人が出ます。
レートが飛んでしまう前に強制ロスカットにしてしまえば口座内資金以上の損失が発生しないからです。
このようなスプレッドの悪質な操作によって、国内FX業者は損失を最低限に留めるのです。
国内FXがスプレッドを広くする理由
さらに詳しく説明します。
国内FX業者はすべりといって、スリッページ{わざと約定を遅くさせること}を起こすことがあります。
かなり急激な変動――例えば直近だとスイスフランショックが有名ですが、そのようにレートが急激に変動すると、相場がストップして数十分間も取引ができなくなる場合があります。
そうなるとロスカットも間に合わず、国内FXでは多くの人が追証を負わされます。強制ロスカットで必要証拠金以上の損失が発生した場合、追証となり、借金を負うことになるのです。スイスフランショックの時は実際に何千人もの人が追証を負わされてしまいました。
そうなってしまうと投資家はその追証を支払うまで次の取引ができなくなります。ですが、このような急激な相場変動の場合、困るのはFX業者も同じで、何人もの人が強制ロスカットされると、追証を負うことになるため、その負債を支払えない人が多発し、全ての損失を回収できなくなる恐れがあるのです。
顧客の損失を回収できないと、最悪FX業者は倒産してしまいます。そうならないためにも、FX業者は損失をしっかり回収しないといけません。
FX業者がスプレッドを広くしておくことにより、早めにロスカットとなり、証拠金の資金以内に損失を抑えつつ被らせることができます。
つまりFX業者は多くの場合こうして、顧客の損失をすべて回収できないリスクを軽減し、投資家・顧客側に払えるだけの損失を被らせているのです。
流動性が低い

流動性が低い場合にもスプレッドは広がる傾向があります。
流動性はその通貨を買う人/売る人が多い状態のときに「流動性が高い」といい、逆の場合は「流動性が低い」といいます。
つまりスプレッドが広がるときはその通貨を買う人、売る人、つまり取引する人が少ないということです。
取引する人が少ないということはそれだけ取引も約定しにくくなります。
そうなると一つ一つの取引が少なくなるので、その分をFX業者はスプレッドによって埋めるのです。
そのためマイナーな通貨での取引のほうがスプレッドが広くなる傾向にあります。
「米ドル/円」「ユーロ/円」よりも「スイスフラン/円」「カナダドル/円」などのほうがどのFX業者でもスプレッドが高い傾向にあります。
また「ドル/円」「ユーロ/円」でも時期によっては取引量が落ちるため、スプレッドが広がります。
それは年末年始や大型連休などの期間や、市場が閉じている時間帯などが当てはまります。
カバー先が少ない

買い値と売り値は、FX業者が取引を行っているカバー先が提示する為替レートを参考にしています。
カバー先とはFX業者が取引している金融機関のことです。
カバー先が多いほど選ぶ為替レートの選択肢が増えるので、その都度、最安値、最高値を提示できるため、スプレッドを狭くしやすくできるのです。
一方、カバー先が少ないFX業者は選択できる為替レートが少ないため、多くのカバー先と提携しているFX業者よりスプレッドが広くなってしまうのです。
なぜ、国内FX業者は海外FX業者のスプレッドよりも狭いのか?
その理由は、国内FX業者の投資家からの注文に対する処理方法、取引方法がOTC方式(店頭取引)/DD方式(相対取引)だからであり、表面的には狭いスプレッドを提示しつつも裏では利益を確保できる取引の仕組みを作っているからです。
ここでは、国内FX業者と海外FX業者の投資家との取引方法の違いなどを解説し、国内FX業者が取引を操作しながらスプレッド収益以外の利益を稼いでいること、結果として低スプレッドでもなく投資家が取引で損をするリスクが伴っていることも解説いたします。
国内FX業者のスプレッドが狭い理由は、海外FX業者の取引方法と違うから
国内FX業者が極めて狭いスプレッドを提示できる理由は、投資家からの注文をどう処理しているのか、つまり、取引方法としてDD方式(相対取引)を採用しているからです。一方、海外FX業者はNDD方式という全く異なる方法を採用しています。
国内FX業者の「DD方式(相対取引)」なら不正操作も可能
DD方式は、投資家からの注文をインターバンク市場に流さずに投資家との相対取引を行っています。
つまり、相対取引=「呑み取引」であり、国内FX業者は、投資家からの注文通りの売買を行わない(取引を行わない)のが基本となっています。
相対取引とは、取引当事者が直接取引を行うことであり、投資家とFX業者には必ず利益相反関係が生じ、
- 投資家が儲かる=FX業者が損する
- FX業者が儲かる=投資家が損する
ことになります。
DD方式では国内FX業者は投資家の注文を「抱えたまま=呑んだまま」にすることが可能であり、そのため、「競馬の呑み取引」と同じような不正操作が行えるのです。
相対取引であるため、FX業者は自社が損をしないために、投資家を負かすために以下のような取引上の不正操作を行いスプレッド以外の収益を稼ごうとします。
- 故意にレートをずらす
- 故意にストップ狩りを行う
- 故意にロスカット狩りを行う
- 故意にスッページ(レートすべり)させる
- 故意にシステム停止させる
相対取引では必ず利益相反取引となってしまうことから、上記のような不正操作を行わなければ自社が必ず損することになるので、国内FX業者のFX口座で取引を行うと常に「負かされる」不安を抱えながら取引を行うことになります。
インターバンク市場に流す・参加するコストを省いている分、国内FXのスプレッドは安い
インターバンク市場とは、通貨取引が行われている金融機関同士が相互に資金調達する場所です。FX業者がインターバンク市場に注文を流したりするのには当然ながら人件費や手数料が掛かりますが、国内FX業者はDD方式によって投資家の注文をインターバンク市場に流さないことでコストを省いているのです。
一方、海外FX業者はNDD方式を標準採用しており、投資家の注文をインターバンク市場に必ず流すのでその分のコストがスプレッドに上乗せされているので、表面的には国内FXのスプレッドよりも広くなっているように見えるのです。
つまり、国内FX業者は、不正操作を行えるDD方式によってスプレッド以外の収益を上げており、また、インターバンク市場にかかるコストを省いているからスプレッドを安く見せかけることが可能なのです。
不正操作ができない海外FXが標準採用しているNDD方式
海外FX業者が採用している取引方法はNDD方式(ノーディーリングデスク)はインターバンク直結型であり、投資家の注文は直接インターバンク市場に流されるので、海外fx業者のディーラーは投資家からの注文に対して一切関与しえないので不正操作が不可能なので安全だと言えます。
つまり、海外FX業者は投資家と市場を結ぶ単なる仲介役=取次業者としてスプレッドを主要の収益源としているので、
投資家に儲けてもらって、投資家がもっと取引量を増やせばスプレッド収入が増えることを望んでおり、投資家と海外FX業者、両者がウィンウィンの関係を望んでいるのです。
そのため、海外FX業者は投資家が儲けれるように下記のような「投資家に勝たせるためのサービス」を提供していることが多いのです。
- ボーナスキャーンペーン
- 追証ゼロサービス(ゼロカット)
- 賞金コンテスト
- 無料VPS
などなど、海外FX業者ならではのサービスが充実されているのです。
不正操作が不可能なNDD方式を採用している海外FX業者は、取次業者としてスプレッドという手数料ビジネスをメインとしており、ブローカー業として透明かつ安全なサービスを提供しているので、国内FX業者を選ぶよりも海外FX業者で口座開設して取引を行う方が得策でしょう。
海外FXはスプレッドだけの利益
一方、海外FXはNDD方式を採用しています。
NDD方式は顧客の注文が直接インターバンク市場に流され、海外FX業者は取り次ぐだけで取引には一切関与しないため不正行為は一切行われません。
顧客の注文をインターバンクに直結させるので、相対取引のような利益相反にはならないので、海外FX業者はスプレッド収入だけを得る形になっています。
顧客の利益=海外FX業者の利益、ということで、よりFX会社は透明性や信頼性を重んじているのです。
つまりこのような海外FX業者に顧客を負けさせようとする意図が生じる余地はなく、不正行為をすることは不可能であるため安心してトレードを行うことが出来ます。
以上のことから透明性や信頼性においては海外FX業者の方がよく、トレードも安心して行うことができます。

海外FXは、取引口座によってスプレッドが異なる点に注意!
海外FX業者には主な取引口座が2種類あります。
- MT4口座などいわゆるSTP口座(スタンダード口座):取引手数料が無料のものが多い
- スプレッドが狭く約定力のあるECN口座:取引手数料が有料
なお、STP口座の取引手数料が無料なのと、国内FX業者の取引手数料が無料なのとでは根本的に仕組みが異なるため、同じ「手数料無料」でも意味が異なります。
上記でも説明しましたが、そもそもの取引方式が異なるので、DD方式の国内FXは手数料無料と謳いながらその実ノミ行為によって利益を発生させています。
海外FXのSTP口座は、NDD方式なので顧客に利益を与えようとするため、絶対に不正行為はしません。
海外FXが大事にしているのは信頼と安全性であり、「手数料無料」とできるのは、間にディーラーが入っても国内FXとは違い、顧客の利益=FX業者の利益となる構図があるからです。
もちろん海外FXのECN口座も同じように、顧客の利益=FX業者の利益となっているので不正は絶対にありません。
STP・ECN口座について詳しく知りたい人はこちら

取引手数料がある場合、実質のトレードコストはスプレッドに限らず取引手数料も合算して比較します。
- STP口座:スプレッド 1.0pips(取引手数料なし)
- ECN口座:スプレッド 0.3pips(取引手数料往復7ドル)
取引手数料とは10万通貨あたりでかかるコストです。
これをpipsに直してから合計をだします。
10万通貨=1ロットです。
往復7ドルは1ロットにつき7ドルなので、取引手数料は0.7pipsとなります。
ここでまたSTP口座とECN口座を比較してみましょう。
- STP口座:スプレッド 1.0pips + 取引手数料なし = トレードコストは 1.0pips
- ECN口座:スプレッド 0.3pips + 取引手数料 0.7pips = トレードコストは 1.0pips
このように合計にすると実質のトレードコストは同じようになります。
上記の例は説明上のためトレードコストが同じになるようにしていますが、平均値で合計してもやはりECN口座のほうが合計は低くなりがちです。
ECN口座はもともとのスプレッドが狭いため、取引手数料が加算されてもSTP口座よりも大きくならないことが多いのです。
つまりSTP口座の「スプレッドのみ」よりもECN口座の「スプレッド + 手数料」のほうがトータルのコストは安くなるのです(例外もあります)。
またECN口座は約定力が強化されているので、相場の流動性が低下しているようなときにスプレッドの広がりがすくないため、STP口座よりおすすめです。
取引コストの安さにこだわるならECN口座の方がオトクなのです。